企業が内定者に「親の承諾を得ているか」確認する、あるいは直接その親に入社承諾の確認をとることを「オヤカク」というのだとか。というのも、内定辞退が学生本人の意思ではなく、親の反対によって辞退する学生が目立つようになってきたため、なのだそうです。
このことがニュースとして伝えられると、ネットでは賛否両論。企業にしてみれば、「後から文句を言われたくない」という“防御策”なのかもしれませんが、現場の採用担当者たちはどう思っているのでしょうか? そこで今回JOBRASS編集部では、採用担当者102名に対し、この「オヤカク」をどう思うか、直撃してみました。
「あり得ない」、「バカバカしい」という声が大半を占めました。そう口を揃えた担当者たちの意見をまとめると、おおむね「自立していない」というもの。「社会人の第一歩なのだし、自分の道は自分で決めるべき」という考えです。また、「オヤカク」が必要な家の子供なら、そもそも自社には不要という声も散見されました。
・なんとも情けなく思えてしまう(男性/総務・人事・事務/41歳)
・過保護(男性/金融関係/40歳)
・だらしない(男性/その他/42歳)
・成人ならそういう事は必要ないかと思う(女性/その他/33歳)
・正直馬鹿らしい。親の人生じゃないんだから(男性/営業・販売/48歳)
・子離れしていない(男性/広報・宣伝/46歳)
・本人が判断してほしい(男性/会社経営・役員/43歳)
・本人の意思が優先されるべきで、本人に確認する(男性/その他/48歳)
・本人を一人前として扱っていないので良くない。過去に親から連絡を受けたことはないが、もしも連絡があれば、その学生に対する評価を下げると思う(男性/総務・人事・事務/47歳)
・学生が自分で決められないようになってきているということ(男性/総務・人事・事務/34歳)
・自分で決められないような学生は不要(男性/総務・人事・事務/40歳)
・オヤカクで辞退するような学生だったら採用しなくて正解だと思う(男性/その他/46歳)
・親にだめといわれて辞めるなら、そんな学生はいらない(男性/その他/48歳)
一方で、「今の時代仕方ないのかなと思う」(男性/総務・人事・事務/38歳)という声もあります。ある採用担当者(女性/総務・人事・事務/33歳)は、
「ブラック企業に関係するニュースが何かと話題になったりして、今の時代、親が心配になっているということはあるのかもしれません。ただ、弊社にも内定が決まったときにお菓子を持ってお礼をいいに来た母親がいましたが、本人は1ヶ月もしないで退職していきました……。やはり親がでしゃばってくるような家庭環境の人間はどこか自立心が足りないように思います」
と話します。
学生が道を模索するなかで社会人として先輩である大人たちの意見に耳を傾けるのは大切なことですが、ものごとを決める力も必要です。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年6月9日~2017年6月15日
対象:企業の採用担当者 計102名