来年就職活動という、ある男子学生M君。自分は「高校からの内部進学で大学に入った」ことが気になると明かします。いわく、「いわゆる“フツー”の入試で入っていないのって、なんか低く見られてないかなって……。勝負に出なかったわけだし」と悶々。一方、AO入試で大学に入ったというSさんは「むしろウリにしているくらい」といいます。実際、就活に入学手段は関係あるのでしょうか?
今回JOBRASS編集部では、採用担当者102名に、大学への入学手段が内部推薦やAO入試だった場合、「普通の入試」組と比べて就職についての有利・不利があるかどうかを聞いてみました。
【大学への入学手段が内部推薦やAO入試だった場合、「普通の入試」組と比べて就職についての有利・不利はありますか?】
・有利 2.9%
・やや有利 10.8%
・やや不利 3.9%
・不利 2.9%
・関係ない 79.4%
アンケートの結果、約8割の担当者が「関係ない」と回答。なんらかの形で有利とした人は「やや有利」「有利」を合わせて13.7%。反対に、「やや不利」「不利」の合計は6.8%でした。では、それぞれの理由を見てみましょう。
どんな入学手段であれ、在学中の過ごし方や就職にかける熱意を重視するという意見が大半を占めました。
・AOだろうが何だろうが、今、そしてこれからのことのほうが重要であると思う(男性/総務・人事・事務/45歳)
・それよりも、人柄等他のことが評価対象になるため(女性/その他/39歳)
・どんな入試形態であれ、本人が大学でどれだけの研究に取り組み、成果を上げたかが重要なので(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)
・現時点での能力とポテンシャルをみているから(男性/コンピュータ関連技術職/40歳)
・就職希望者の意欲と人格を評価します。大学名や入学方法は問題外です(男性/会社経営・役員/46歳)
・入学時のことより現在の能力や意欲の方が大事だから(男性/その他/46歳)
どちらかといえば有利、という人たちに意見を聞いてみると、「素性が明らかで、なんとなく育ちが想像できる」「推薦の場合、学校側がお墨付きを与えているということなので、信頼できる」など、“信頼感”があるということのようでした。
・推薦は一発勝負ではない。普段からの評価を含めて学校側が推薦しているのであるから、有利(男性/その他/48歳)
・優秀な人材が集まりそうだから(女性/総務・人事・事務/33歳)
・間違いがない(女性/総務・人事・事務/23歳)
一方どちらかといえば不利、とした人たちは、一様に「苦労をしていなさそう」という回答でした。
・過酷な体験をしたことがないから(女性/その他/48歳)
・勉強が足りない(女性/その他/49歳)
・苦労していないと思う(男性/その他/49歳)
・物を知らない人でも合格している(男性/営業・販売/47歳)
“不利”なイメージをもつ担当者もいるとはいえ、面接で自信と説得力をもって「在学中に何をして、どういうことを学んだか」「今後(社会で)何をやりたいか」「どうしてその業界・企業に行きたいのか」を話すことができれば、なんの問題もありません。大切なのは、「今」の自分がどうか、ということです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年6月9日~2017年6月15日
対象:企業の採用担当者 計102名