履歴書はパソコンで作成、エントリーシートはネットで提出……なんて、今や当たり前。でも、手書きでせっせと企業に資料請求のハガキを送ったり、OB訪問のお礼状を書いたりしていた時代もあったんです。また携帯電話がない時代は、企業から連絡があった時のために家に必ず誰かいるようにしたもの。というのも、「不在だったら、その時点でもうアウト」という都市伝説(?)があったためで、就活はまさに家族ぐるみでした。
今では携帯電話でいつでもどこでも連絡のやりとりが可能だし、手書きで何かを書くことは激減。先輩のなかには、「調べられる情報が幅広く、多い。連絡もスムーズにできる」と、どこか羨ましそうな声も聞かれます。
今回JOBRASS編集部では、社会人101名に、「今の就活生は良いな」と思う、自分の頃とは異なる制度や環境を聞いてみました。
【「今の就活生は良いな」と思う、自分の頃とは異なる制度や環境などはありますか?】
・ある 18.8%
・ない 81.2%
「今は良いな」と思う先輩の割合は、18.8%と約2割。残りの約8割の先輩は、いくら便利な時代といえども、一概に「自分の時代と比較して、今のほうが良い」と思っているわけではなさそうです。では、今のほうが良いと思う理由を見てみましょう。
もっとも多かったのは、「売り手市場」。就活生からは、「売り手市場だからいいっていうけれど、別に志望業界の採用人数が増えるわけではないし……」という声も聞かれますが、就職氷河期の先輩からしてみると、やっぱり羨ましいようです。
・自分の頃よりも就職率がアップしているところ(女性/その他/27歳)
・企業が人を欲しがっていること(男性/総務・人事・事務/29歳)
・私の時は氷河期でしたので今よりも就職先が少なく、大変でした(女性/その他/33歳)
やはりというべきか、「ネット環境の整備」という点を挙げる声も目立ちました。普段の情報収集だけでなく、乗り換え案内や遅延情報、地図など企業までのアクセスにも便利ですし、いつでも連絡をとることができるのは、ネット環境がない時代に比べると大きな違いです。
・ネット環境が整っている(男性/研究・開発/30歳)
・ネット環境が整備され、さまざまな情報がつかみやすくなった(女性/その他/27歳)
・ネットで情報が多くの人に、フラットに届けられる時代。たくさんの方法や選択肢が自由に選べる多様性が豊富だと思います(女性/その他/26歳)
インターンシップ制度が珍しくなくなったのは、実は最近のこと。昔はそれほど “当たり前”ではなく、外資系など、ごく一部の大企業しかやっていなかった印象があります。
・インターンシップや会社説明会が充実していて、面接などより詳しく教えてくれる(女性/営業・販売/32歳)
独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が発表した「日本学生支援機構概要2016」によれば、2015年にJASSOの奨学金を受けとっている学生は2.6人に1人。一方で、借りたものの返すことができない人も少なくありません。2015年度末時点で延滞されている金額は、約880億円にものぼっています。そんななか、企業が奨学金の返還を肩代わりする、返済支援制度を作る動きも広がっています。すでに就職し、奨学金を返し続けている先輩からは、その動きについて「いいなあ」という声も。
・奨学金を負担してくれる企業が増えていること(女性/その他/33歳)
・奨学金制度(男性/その他/30歳)
その他、「遠距離でも交通網の発達などで都心に出やすくなったように思う」(女性/その他/27歳)というつぶやきも。景気はもとより、インフラや福利厚生など、数年の差といえどもあるかないかで大違い、というものは多いのかも。今ある環境を最大限に活かして、“ああすればよかった”という就活だけはしないようにしたいものですね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年2月10日~2017年2月17日
対象:社会人1~2年目の男女 計101名