就活にあたり、自己PRのやり方や面接対策を研究し過ぎてしまった結果、採用担当者に好印象を与えるどころか、担当者がドン引きすることもある!?
そこでJOBRASS編集部では、採用担当者115名に、就活で「それはやり過ぎ」「あまり意味はない」と思う、“就活マニュアル的な行動・言動”をアンケート。【前編】では、“面接前”に、就活生がやりがちな「やり過ぎ就活」をご紹介しました。今回の【後編】では、“面接時”の「やり過ぎ就活」をお届けします。
前編はこちら
面接での自己PRのとき、内容としての自慢話はもとより、話のすすめ方や話をするときの態度もポイントです。自信満々な態度は、謙虚さがないと捉えられてしまうことも。
・あまりにも自信満々で語られると、採用担当者は引く(男性/営業・販売/42歳)
・自信満々でまったく謙虚さがない人、押しが強くグイグイくる人(男性/その他/44歳)
・自分の自慢話や過去の栄光を話しすぎることはマイナス(女性/その他/48歳)
・学生時代の武勇伝を話し、自慢にしか聞こえない事は無意味だと思う(男性/出版・マスコミ関係/49歳)
・自慢話、がんばった自分の話ばかり。自分の言動をつらつら並べているだけのもの(男性/その他/41歳)
客観的な視点に欠ける話の進め方は、採用担当者からしてみれば、人と関わって仕事をするうえで、マイナスに働くのでは? という危惧のもと。
・アルバイトでお客様とのトラブルを解決した話をしていた。しかし、なぜトラブルが起きたのかを全く考えていなかった様子が垣間見え、かえって良くない印象を受けた事がある(男性/その他/35歳)
・自分を他者より能力があると強調することは、あまり良い印象を受けない。経験上そういう人は、口ばかりで使えない場合が多い(男性/総務・人事・事務/43歳)
・自分の目線で話を進め過ぎ、人の意見を受け入れない態度があるといけない(男性/総務・人事・事務/48歳)
面接官の目を見ないでも話せるほどに練習をし過ぎてしまった結果、「面接時に一気にまくしたてる学生がいる。緊張しているのかもしれないが、人の話を聞かない印象につながり、あまり良くない」(男性/研究・開発/42歳)という声も。
・きまりきった志望動機。明らかに市販の参考書を覚えてきたかのような感じ(男性/公務員/31歳)
・マニュアル本を読み込んで暗記し、マニュアルどおりの答えしかできない(女性/その他/31歳)
丸暗記同様、自分の意見をもたず、上っ面の印象を良くしようとするだけの“ペラッペラ”なタイプと思われる可能性大。
・普段使わなさそうな単語を並べ、べらべらしゃべるのは、練習のしすぎで良い印象がない。落ち着いてしっかり言葉を選び、しゃべったほうが良い(男性/その他/49歳)
・シナリオのような格好いい言葉ばかりで埋め尽くされた答え。多少は知識があるぞというような知ったかぶり発言(男性/営業・販売/41歳)
・練習してきたようなことをやたらと並べるが、自分のものになっていない発言(男性/コンピュータ関連技術職/43歳)
・面接を相当練習してきたのだろうと思うが、回答が無難過ぎて自分の答えになっていないこと(男性/その他/36歳)
マナーに気を遣うあまり、いかにも不慣れだったり、“上辺だけ”のイメージが全面に出てしまっているケース。百戦錬磨の採用担当者は、“心がこもっているかどうか”を一瞬で見抜きます。
・あまりにも丁寧なお辞儀。普段はやっていないようなものは逆効果(男性/その他/42歳)
・やたら笑顔で相槌を打ったりすると、マニュアル通りだなと感じてしまいます(男性/その他/45歳)
・言葉や態度が丁寧過ぎて、本人の素の部分が見えないことです。マニュアルで全て固めて棒読みなのも良くないです(男性/コンピュータ関連以外の技術職/49歳)
・妙に明るい態度。極端なうなずき。大きな声(男性/コンピュータ関連以外の技術職/45歳)
・必要以上に笑顔を見せたり明るくする必要はない。重要なのは本来の自分を見せることだと思う(男性/営業・販売/44歳)
コミュニケーション能力があるかどうかは、本来自分で判断することではありません。自ら「コミュニケーション能力があります!」というアピールは、担当者を鼻白ませてしまうもののようです。
・コミュニケーションできるアピールで、やたらと話を合わせてこようとする(男性/営業・販売/43歳)
・コミュニケーション能力をアピールしているのに、不意の質問で話が弾まない場合が多い。あいまいな部分のアピールは、本当に自信があるとき以外は危ないです(女性/その他/30歳)
褒めすぎもどうかと思う、という意見も多数寄せられました。「採ってほしいからとその場限りの媚を売っているように見えてしまいます。内心、入社後何があっても文句を言わないんだな!? 絶対だな!? と突っ込んでしまいます」(女性/その他/41歳)。
・いかにも企業受けするような、心にもない内容を無理に言うのはすぐわかる。見ていて痛い(男性/コンピュータ関連技術職/49歳)
・その企業に気に入られようと、担当者が喜ぶようなことばかり言う(女性/その他/40歳)
・会社を褒めすぎる、会社の業務内容よりも社会貢献活動について熱弁をふるうなど(女性/その他/32歳)
・会社絵の忠誠心などの過剰なアピールはほどほどにしないといけない(男性/コンサルタント/44歳)
・企業理念等、一生懸命調べて勉強しているのは素晴らしいが、『御社の○○に感銘を覚えました』など、あまりにも過剰な誉め言葉や同調は『これぐらい言っておけばいいんだろ』と、あまり良いように受け取らない試験官もいるため、過剰な誉め言葉は賞賛はやめておいたほうがいいと思う(女性/その他/42歳)
ある採用担当者(女性/金融関係/38歳)は、「自分の意見として、その企業に改革を申し出るくらいの姿勢で……というマニュアル本もあるんじゃないでしょうか。『こうすればいい、こうするべきだ』という提言タイプの学生が最近やたら目立つのですが、大体において“木を見て森を見ず”。会社には会社の事情があるものです(笑)」と苦笑。面接という場は、あくまでも“自分”を見てもらう場であるということを覚えておきたいものです。
・まだまだ経験がないのに、知っているかのように議案し出した人がいた(女性/コンピュータ関連以外の技術職/36歳)
・まだ当社に入ってもない段階で、入った時の理想論だけを熱く語る。現実離れした理想論は過剰過ぎるのでダメです(女性/その他/30歳)
・やったことのない事柄に対する無駄な自信を語りだすと、逆に使いづらいのではないかと思う事が多い(男性/その他/44歳)
・就活生は面接により自分を評価してもらう事が目的。面接官を通して、企業に対して意見する・批評するのは意味の無い行動に感じる(男性/金融関係/49歳)
・いきなり会社の改革を提言する(女性/総務・人事・事務/44歳)
面接の最後で「何か質問がありますか?」と話を振られたとき、質問をしたほうが“やる気がある学生”に見えるという都市伝説(?)があるようです。「それを聞いて、何を知りたいのかが明確ではない質問は、逆効果。また福利厚生などを確認するのは大事ですが、調べたらわかることを質問してくるのも、“自分で努力しないくせに要求ばかりうるさいタイプかな?と思ってしまいますね」(前述の採用担当者・女性/金融関係/38歳)。
・誰でもするようなやる気の感じられない質問をする人。付け焼き刃な質問をする人(男性/その他/40歳)
・同じ質問を複数の学生がしていると、マニュアルを読んできたとわかる(女性/その他/35歳)
・給与や福利厚生などについてしつこく聞いてくる学生には、仕事に対する情熱より楽をしたいと感じる(女性/その他/45歳)
まとめると、面接時には「自分の言葉」が大切ということに尽きるようです。心からその企業に入りたいという気持ちがあれば、どんな質問にも自分の意見が言えるはず、ですね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年12月9日~2016年12月19日
対象:企業の採用担当者 計115名