就活をするにあたり、マストとなる「企業研究」ですが、何をどう研究したものやら……。JOBRASS編集部では、そんな就活生のために、全国の採用担当者115名に、“「企業研究」とはどのようなことをすべきか”を教えてもらいました。
【前編】では、採用担当者が「どんな企業に目を向けるべきか」&「情報収集の仕方」をアドバイス。今回の【後編】では、そのなかでどういった点に注目すればいいのか、採用担当者だからこそ言える「ここを押さえておいて欲しい」ポイントを解説します。
前編はこちら
どんなに興味がある仕事でも、社風が合わなかったら辞めてしまうもの、というアドバイスが多く寄せられました。給料や休みなどといった条件面だけでなく、職場の雰囲気や働いている人の人柄・考えかたを知るのは大切です。OB・OG訪問だけでなく、電話やメールの応対などでも判断できる、との声アリ。
・まずは企業に電話してみて電話の対応がいいかどうかで企業の良し悪しが何となく分かる。自分に向いているかは先輩などの話を聴くのが良い(男性/営業・販売/41歳)
・会社の規模等も大事だが、仕事内容と社風が自分にあうかどうかが重要で、それが合わないとそんなに待遇の良い会社でも長続きできないと思うので、その辺の調査は大事(男性/その他/44歳)
・企業の雰囲気やスタッフの応対がどうか、自分が働き続けられるかどうか(男性/出版・マスコミ関係/49歳)
働き続けるうえでは社風だけでなく、働き方が自分の生活に合っているかどうかも、重要ポイントです。残業の多さや何時から就業なのか、家との距離など。
・離職率なども調べる。実際に働いている人の話を聞く(男性/その他/35歳)
・自分の生活にあっているか、その企業風土などをしっかり確認する必要がある(男性/営業・販売/41歳)
・好きかどうか、飽きないかどうかを優先してください。その基準さえブレなければ、収入は我慢して入った企業を超えるはずです。自分に向き・不向きは入ってみないと分からない部分もあると思いますが、柱は1本です。「好きかどうか」「飽きないかどうか」(男性/総務・人事・事務/48歳)
企業側から発信している内容だけでなく、その企業のサービスや製品に対する口コミなど、“受け入れられ方”を知ることで、自分がなぜその企業を目指すかという志望動機を考える一助にもなります。
・その企業が何を得意なのかを研究する。同業他社との比較をする(男性/営業・販売/40歳)
・ユーザーに自信を持って納入出来る製品か、またオンリーワンの製品があるか、ユーザーから必要とされてる会社か(女性/その他/31歳)
・企業が何を生産しているかよりもその企業の商品やサービスが、ユーザーをどんな気持ちにさせているのか。エンドユーザーの気持ちや言動を考える(男性/営業・販売/49歳)
企業は、そのトップが変われば、社風もガラッと変わることはよくあること。経営層の考え方を知ることで、同業他社との違いも知ることができるでしょう。
・製品の購入をして体験。創業者、現在の会社トップの性格や気質を調べる(男性/営業・販売/41歳)
・同じ業務でも、何を目指しているのかは同じ業界でも違うので、トップ層の話は聞いておくべき(男性/コンピュータ関連技術職/47歳)
同業他社との間でどういった位置にいるのか、今後どう成長していけそうかなど、自分なりに考えること。そのうえで、自分がそこでどう働きたいかを考えれば、志望動機が説得力をもつでしょう。
・企業がおかれている第三者的な立ち位置の把握と、今後の成長に向けた考察が大事(男性/研究・開発/42歳)
・経営的に安定しているだけでなく、身の丈に合った成長戦略を持っていることが大切(男性/コンピュータ関連技術職/43歳)
・その企業が如何にして成長できるか、それにどのように貢献するのかを説明できるか否か(男性/総務・人事・事務/40歳)
最後になりましたが、企業のことを知るのと同時に、自分にとってもっとも重要なのは「やりたいことができそうか」ということでしょう。経営理念や社風、働き方、成長性に加えて、その会社で自分のやりたいことができそうか。「やりたいこと」は、具体的でなくても構いません。目指すベクトルが同じであればいいのです。
・その企業に入ってから、自分が何をできるか、自己分析してから決める(男性/総務・人事・事務/48歳)
・その会社に入れたとして、きちんと明確なビジョン(○年後の自分がその会社でどういう仕事をしているかなど)をイメージすべき(女性/その他/44歳)
・今自分がしたいことの5年後10年後を想像して具体的な見解をえられるか(男性/営業・販売/44歳)
・自分のやりたいことと、希望する会社の方針のベクトルが同じであること(男性/コンピュータ関連以外の技術職/49歳)
そして、福利厚生面のチェックも忘れずに。例えば同じ給料でも、家賃補助があるかどうかでも、生活は変わってきますよね。いろいろな企業を比較研究しながら、「自分は何を優先させたいのか」を考え続けると、良いでしょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年12月9日~2016年12月19日
対象:企業の採用担当者 計115名