理系の人は決まって大学院に行く、というセオリーも今は昔。学部卒で文系の人たちに混ざって一般就職する人や、研究を続けたいと思って大学院にも進んだけれど、就職では一般就職を選ぶ人たちも少なくありません。
今回JOBRASS編集部では、大学では理系の分野を学んだけれど、就職では“いかにも文系”なところに就職した人たちに、就職してどう思ったか、変わった部分などがあればそれを教えてもらいました。
開発、製造というだけでは商品は売れません。「製品を“商品”にするには理論だけでなく感情を大切にする文系の人の意見や考え方、話し方も必要」ということを学んだ、という声が多くみられました。
・性格に変化はなかったが、人を引っ張っていくには「言って聞かせて、やって見せて、行動させる」と言うことも大事だと教わった(男性/その他/61歳)
・むしろ文系が多いと言われる職場でも、理系的な知識や思考展開ができないと取り扱いにくい商品がたくさんありました。ただし、理詰めなだけでは人の気持ちを動かすことはできないので、文系の人の話を理解するように務めるようになりました(男性/会社経営・役員/45歳)
・論理的に、仮説を立てて検証するというやり方だけでは、売上があがるわけではないということも学んだ。“感覚”を語る人の話やその根拠などにも耳を傾けるようになった(女性/その他/31歳)
・意見が食い違うような話し合いの時には、少し相手の意見をじっくり聞くようにする習慣ができたかもしれない(女性/その他/44歳)
違う思考回路をもつ人の見方を学ぶことにより、視野が広がったという人も。
・あまり性格的には変わっていないが、考え方は、理系のがんじがらめな考え方をおさえて、少しアバウトに考えるようになった(男性/研究・開発/41歳)
・周囲に法学系や経済学系が多く、論理的な考え方を学んだとともに、大局的な見地で仕事をするようになってきました(男性/公務員/56歳)
・最初は戸惑い迷惑をかけることも多々あったものの、次第に仕事を覚えてくると、自分が違う分野であることも互いに違った視点から物を見ることにつながり、多様なものの考えを得られたと思う(男性/その他/30歳)
興味の対象が広がったという声もありました。
・計算ができるとか数学が得意だとかそういうことだけでは業務をこなせない。言葉で人を動かすような、相手が納得する言葉を発することが大切だと思うので、弁が立つ文系の方の口調はとても参考になりますし、もっと言葉や社会的な出来事、書籍等に関心を持つことが必要だというふうに考え方が変わりました(男性/その他/31歳)
その他、
「論理的に攻めることができたり少数派としての強みも感じているため悪くは思わない。ただ、性質の違う人間が多いので多少考慮はするようになった」(男性/公務員/36歳)
「就職の経緯がお互いに違うことを尊重しあう風土がありました。さらに理系としての特色を生かす努力をしました」(男性/その他/60歳)
「文系が多いので、パソコンとかの使い方や、新しいシステムを運用開始すると、まるで神さまのような扱いのこともある」(男性/コンピュータ関連技術職/52歳)
など、性格などに変化はなくとも、何気なくやってきたことが重宝されるため、その強みを活かすようになったという人もいました。理系だから技術や開発などの“理系”就職にこだわらなくても、強みは活かしようですね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年10月14日~2016年10月20日
対象:学生時代に理系だった社会人の男女 計35名