就職活動をするなかで、志望動機に何を書けばよいかわからないという方は多いかと思います。志望動機の書き方というテーマは、細かく分けると
①書く内容がわからない
②書く内容はあるがどう文章を構成していいかわからない
という悩みがあると思いますが、今回は①書く内容について話をしたいと思います。内容が決まれば、文章の構成は先輩の過去の文章例を参考にしてください。
志望動機が書けない問題は「その企業のことを知らない」ことに大きな原因があります。志望動機が、企業に対するラブレターと同じようなものだと考えれば、好きでもない知らない人にラブレターなんて書けないでしょう(今でもラブレターという文化があるのかはさておき)。そこで、志望動機を書くために企業のどのような点に注目して書いていけばよいのか? というポイントをお伝えします。
1.その企業の主力商品と顧客を知る
最低限、下調べとしてその企業の商品やサービスは何で、どんな人がお客様になるのかということをよく理解しましょう。新卒採用のWebサイトやパンフレットはそのあたりの情報をあいまいにしていることもあるので、お客様向けのホームページに目を通します。
具体的には:
○某広告メディア企業
→商品は2つで、飲食店のクーポンとお店情報が掲載されているメディア(雑誌とWeb)と、お店の予約受付や会計のシステム。お客様は飲食店のオーナーや店長。
○某リフォーム企業
→商品は外壁のリフォーム。お客様は個人宅の家主やビルのオーナーや管理会社。
○某食品専門商社
→商品は、各メーカーのお菓子。お客様はスーパーやディスカウントストア、コンビニエンスストアのMD(マーチャンダイザー)・バイヤー。
このように、お客様もなんとなく個人や企業というだけではなく、より具体的に理解するのがポイントです。その企業の商品やサービスがどんな特徴をもっているかということや、経営の土台にある考え方、将来の方向性など、ほかにも注目するポイントはありますが、まず商品とお客様を理解すると話の土台がしっかりします。
2.自分との接点や「興味があるところ」を書き出す
下調べができたら、その上で自分がどんなことに興味があるのかということや、自分との接点を書き出してみます。まずは本音で書き出してみるのがポイントです。親の職業や、子供の頃に経験したこともあるかもしれません。学生時代の経験にこだわる必要はありません。
たとえば、親が自営業で悩みながらも情熱をもって企業経営をしている様子をそばで見てきて、自分も企業経営を支援できることに興味があるとか、自分が当たり前のように体験してきたことも他の人にとっては貴重な体験です。
3.その企業で「役に立てること」を書き出す
次に、自分の興味だけでなく、自分がその企業にどのように役に立てるのか? という視点でアイデアを書いてみてください。自分の元々の能力や、経験してきたこと、知識として持っていることの中から、使えるものはないか考えます。
たとえば、その企業の主なお客様が年配だった場合、飲食店のアルバイトで年配の方と接するのに慣れているというのうもアピールポイントの1つになります。その場合、接するときに心がけていることなども合わせて書くようにしましょう。勉強や部活で目標達成するために身に付けた「計画性」や「継続性」をアピールするのも一つの手です。
また、商品があり営業目標を達成していく仕事だとすれば、売上目標を達成するために計画的に取り組んできた経験を活かすと考えてもいいでしょう。
4.結論から先に書く
興味があることと、役に立てることのセットが整理できれば、あとは整理するだけになります。文章の構成は様々なものがありますので、唯一の正解はありませんが、とにかく相手目線で相手が興味のあることを先に伝えるということを意識しましょう。
志望動機でいえば、「御社の○○○○に興味があり、また自身の△△△△を活かせるのではないかと考え志望します」といったように結論をまずまとめて先に書くようにすると、相手は一文を読むだけでその概要を理解することができて読み進めやすくなります。
5.会社の説明文は無意味
書き上げた文章を読み直すときのポイントです。よく起こりがちなこととして、志望動機で会社の説明をしてしまうことがあります。たとえばこんな文章です。
「御社は○○業界のリーディングカンパニーでアジア進出にも積極的です。」
その企業の人に説明をしてもしょうがないので、その特徴についてどう感じているのかという気持ちと合わせて表現しましょう。以下のように修正できると思います。
「御社が○○業界のリーディングカンパニーでアジア進出にも積極的である点に魅力を感じています。私は特に中国市場に○○を広げていくことに興味があります。」
6.自分の経験と無理やりこじつけない
いくら、自分との接点や興味を書くことが大切と言っても、全然関係なさそうな自分の経験をこじつけて過去の経験を長々と記載するのはやめましょう。
あくまで、相手は自分の企業についてどう感じてどう働きたいのかを知りたいのであって、あなたの過去の物語を聞きたいわけではありません。志望動機のメインテーマは、自分の過去ではなく、その企業に入社した先の未来になっているか見直してみましょう。
ここまで、志望動機を書く上で重要なポイントを解説してきましたが、いざ書き進めようとするとなかなか筆が進まない方も多くいると思います。そこで、業界別にどのような志望動機の例があるのかを解説した記事を紹介していきますので、自分の志望する業界向けの記事を参考にしてみてください。
・自動車部品メーカー「【新卒向け】自動車部品メーカーに入るための志望動機」
・音楽業界「【例文あり】音楽業界に受かるための志望動機」
・ネット広告業界「ネット広告業界の内定を勝ち取るための志望動機」
・新聞業界「【記者になりたい学生必見】新聞社に入るための志望動機」
・リース業界「リース業界の志望動機を徹底解説」
・Web業界「【事例あり】Web業界に受かるための志望動機はこれ!」
・損害保険業界「【就活生必見!】損害保険会社の志望動機の書き方」
・繊維業界「繊維商社や繊維業界に受かるための志望動機」
・インテリア業界「【例文あり】インテリア業界の志望動機を徹底解説!」
・ゼネコン業界「ゼネコン志望者が覚えておきたい志望動機のポイント」
・アパレル業界「アパレル業界で働きたい人必見! 志望動機の書き方」
・医薬品メーカー「【事例あり】医薬品メーカーを受けるにあたっての志望動機」
・半導体メーカー「これさえ読めば大丈夫! 半導体メーカーの志望動機」
・鉄鋼メーカー「【内定者の事例あり】鉄鋼メーカーの志望動機」
・通信業界「通信業界に受かるための志望動機を徹底解説!【例文あり】」
・ゲーム業界「ゲーム業界の内定をつかめ! 受かる志望動機を大公開」
・石油業界「エネルギーから暮らしを変えたい! 石油業界の受かる志望動機」
・印刷業界「印刷業界に受かる志望動機を徹底分析! 先輩内定者にも聞いてみた」
・アミューズメント業界「【事例つき】人を楽しませたい! アミューズメント業界の志望動機」
・建設業界「建設業界にはどんな企業があるの? 業界の解説とその志望動機」
・医療機器メーカー「医療を支える製造業。医療機器メーカーの志望動機(例文あり)」
・自動車メーカー「【自動車業界を志望の方へ】自動車メーカー内定者の志望動機を大公開」
・住宅業界「【具体例あり】住宅業界や住宅メーカーに受かるための志望動機」
・化粧品業界「化粧品会社を志望する人必見! 化粧品業界の志望動機を書くための対策」
・食品メーカー「お菓子を含む食品メーカーの志望動機【内定をもらった先輩の例文あり】」
・百貨店業界「百貨店の志望動機を考える上でのポイントを伝授」
・食品商社「専門商社で働きたい! 食品商社の志望動機の書き方【例文あり】」
・証券会社「証券会社内定者が話す志望動機を書くコツ」
・都市銀行「志望動機に説得力を! メガバンクに受かるための心構え」
・地方銀行「地方銀行に絞った志望動機の書き方とコツ」
・出版業界「【人気業界】出版業界に受かる志望動機の書き方」
・広告業界「広告業界の志望動機の書き方・考え方のポイント」
・生命保険業界「生命保険業界を志望する際の志望動機の書き出しと例文」
・福祉業界「高齢化社会に貢献したい! 福祉業界を目指すときの志望動機」
・IT業界「【例文あり】新卒でIT業界を志望する人の志望動機の書き方」
・総合商社「総合商社内定者が伝える志望動機の秘訣」
・信用金庫「中小企業の味方! 信用金庫の志望動機を例文つきで大公開」
・文具・事務機器メーカー「慣れ親しんだ商品に携わりたい!文具・事務機器メーカーの志望動機」
・ホテル業界「これだけは押さえておくべき!ホテル業界の志望動機の作り方」
・物流業界「知っておくと視野が広がる!物流業界を目指す人の志望動機」
最後に、志望動機は初めからパーフェクトなものを目指す必要はないと感じていた方がスムーズに進みます。企業の志望動機は変わっていくものです。企業=人に置き換えて、好きかも? と思った人と仲良くなっていくときの状況にたとえてみましょう。
○○ちゃんとの初対面では、映画という共通の趣味で盛り上がり、落ち着いた雰囲気に興味をもった。その後にもっと話したり、一緒に遊んだりして何回か会ううちに、影ながら夢に向かって努力家である一面を知り、家族を大切にしているところも素敵だなとわかってきた。この人の夢を応援しながら、暖かい家庭を築いていくイメージがわいてきた……など、企業の理解もこのように、初めの志望動機に書いたことから選考を受けて理解が深まるうちに、どんどん変わっていき、深まっていって当たり前です。
始めから素晴らしい志望動機を書くことにこだわりすぎてエントリーシートが出せないよりも、6割~7割の出来でもいいからとにかくアクションを起こすことを大切にしましょう。