「企業選びの軸/就活の軸は何ですか?」
就活生なら一度は聞かれるこの質問。
人によって答えはさまざまで、正解はありません。
例えば、チームで協力して働きたい人もいれば、個人プレーで仕事をしたい人もいるでしょう。
そもそも就職活動の目的は、自分に合った仕事・組織を見つけること。ただし、言葉にすると簡単ですが、出会うのは容易ではありません。
ましてや、「ここだ!」と思う企業に出会ったところで、実際に入社してみるまでは、合う/合わないはわからないものです。
こういってしまうと身も蓋もありませんが、自分と企業のマッチング度を高めるためには、やはり、多くの業界や企業を見て、調べて、研究して……、という準備をする必要があります。
この準備でまず見つけるべきは、「就活の軸」。
そこで、本記事では、
「軸って何?」
「どうやって見つけるの?」
「私の軸を教えて!」
そんな疑問にお答えしていきたいと思います!
<目次>
1. そもそも軸とは?
2. 早めに軸を持つメリット
3. あなたはどの軸に当てはまる?
4. 深掘りした軸は武器になる
5. よくある「軸」の質問に答える!
まず、「企業選びの軸/就活の軸」とは、就職活動で企業を選ぶ際に、自分が何に重きを置いているかという判断基準です。
こういうと小難しい感じがしますが、企業じゃなくても、映画でも、恋愛でも、ジャンルやタイプなど、自分の傾向や好みはあると思います。
気分をスカッとさせたいから、ハッピーエンドのアクション映画を頻繁に鑑賞する。いつも好きになるのは、しょうゆ顔の男性……。
就活の軸も同じで、自分の、傾向や好みを言語化していくことで見つけることができます。
いくつか興味のある企業に出会ったとき、その興味を持った理由で共通するものが「企業選びの軸/就活の軸」なんです。
とはいえ、初めての就職活動。
「まだ、どんな企業に興味があるのかわからない」ということもあるでしょう。
そんな場合は、以下の3分類から軸を整理してみることを推奨します。ちなみにこれは就活で最も大切な「自己分析」のひとつです。
1.自分の価値観
自分にとって大切なものは何でしょうか。
反対に不要だと思うもの、こだわらないことは何かを見つけましょう。
その理由を明確にすることも重要です。
例)
<必要なもの>
早く成長できる環境、切磋琢磨できる環境
<必要な理由>
野球部の経験から、仲間と競い合って努力し、目に見える成果を出すことに喜びを感じるから。
<不必要なもの>
英語を使う仕事、風通しが良くない環境
<不必要な理由>
英語は苦手だから。野球部では上下関係が厳しく、上に物を申すことができずもどかしい思いをしたから。
2.自分の興味
自分にとって興味のある分野は何でしょうか。
反対に、興味のない分野は何でしょうか。
例)
<興味のある分野>
教育、歴史、スポーツ、音楽、営業、マネジメント
<興味のない分野>
語学、文学、数学などの理系分野、事務
3.自分の能力
資格や学力に限りません。自分の長所や強みがあれば思い出してみましょう。
例)
<強み>
チームを扇動する力、初対面で打ち解けやすい性格
<弱み>
勉強全般、論理的に考えること
最初は上記例のような単語、キーワードでOK。
徐々に言語化できるよう思考を深めていきましょう。
早めに就活の軸を見つけられると、就活は圧倒的にスムーズに進むようになります。そのメリットは3つあります。
3つのメリット
1.企業選びに無駄がなくなる
2.目的を持って説明会に参加できる
3.志望動機が説得力を増す
1.企業選びに無駄がなくなる
何となく知っている会社、有名な会社、勧められた会社を受けていると、時間のロスになることも。
特に、「超一流大手企業だから」や「誰もが知っている有名企業だから」という理由で選択するのは危険です。
実は、新卒採用を行っている企業が数万社あるのに対して、ひとりの就活生がインターンシップや説明会に参加できるのは1年間で約30~50社です。
この限られた時間の中で、効率よく行動し、究極の相思相愛に結ばれることが就職活動のゴール。
つまり、きちんと自分の軸に合った企業を選りすぐっていくことで、早期内定につながってくるのです。
2.目的を持って説明会に参加できる
一般的には、ナビサイトや企業HPから情報収集したのち、インターンシップや会社説明会に参加することかと思います。
これは、いわば「会社で働くことをイメージする場」に相当するステージとなりますので、自分の軸と企業の価値観をすり合わせる絶好の機会になり得ます。
自分の軸に照らし合わせての不明点や疑問点を解決する時間でもあるので、何となく説明を受けることに比べると圧倒的に有意義な行動となるでしょう。
何も考えずにボーっと話を聞くのではなく、「今日はこの気になる点を質問してみよう!」と課題感をもって臨むことが大切です。
3.志望動機が説得力を増す
最大のメリットはオリジナルの志望動機ができあがることです。自分の軸と企業の軸が合致していればいるほど、説得力のある志望動機となります。
その際は、先程の3分類(価値観・興味・能力)における一致を謳うことで、より一層鮮明なイメージとなって面接官に伝わります。
では、具体的にどのような「企業選びの軸/就活の軸」があるのか、次項で見てみましょう。
就活を始めたばかりだと、ゼロから軸探しをするのは難儀です。
そこで、カテゴリーごとに、よくある軸の中分類を並べてみました。まずは、「当てはまる」「当てはまらない」「どちらともいえない」を、心の中で答えてみましょう。
■企業の社風と関連する軸
・充実した研修/教育で着実に成長したい
・大きな裁量権を持って働きたい
・チームワークを重視したい
・プライベートも仲の良い同期/先輩が欲しい
・意思決定のスピードが早い会社がよい
■規模・事業と関連する軸
・安定している企業がよい
・従業員、売上の規模が大きい企業がよい
・上場している企業がよい
・海外で働きたい
・ビジネスモデルにこだわりがある
・興味のある事業分野であることを重視したい
■業務内容と関連する軸
・研究分野や強みが活かせる仕事がしたい
・ルーティンワーク中心の仕事がしたい
・目標や数字を追いかけるのが好きだ
・常に新しいことに挑戦したい
・知識や思考力を生かして仕事をしたい
・人とたくさん話すことが好きだ
■人と関連する軸
・居心地のよい会社で働きたい
・意識が高く切磋琢磨できる環境で働きたい
・尊敬できる社長や社員と働きたい
・風通しがよく自由闊達な雰囲気がよい
・多くの人と出会い、人間関係を構築したい
■人生設計と関連する軸
※注意※
就活の軸としては大切ですが、企業側に志望理由として敢えて伝えることではありません。
・将来起業するための力をつける環境がよい
・仕事のオンオフが区別された企業がよい
・産休/育休等の制度が充実している企業がよい
・キャリア選択肢が多い企業がよい
・ジェネラリストを目指したい
いかがでしょうか?
何となくの分類が自分の中でできれば、次のステップです!
上述の軸を答えられたら、その理由を探ってみましょう。理由を突き詰めていくことで、自分の意思や行動原理の「核」に出会うことができます。
具体的な例をあげてみましょう。
例)安定している企業がよい
一言で「安定」といっても、言葉の捉え方は人それぞれ。具体的に考えてみましょう。
・倒産や解雇のリスクがない
・事業や業務に変動がなく安定している
・年収が一定的に上昇していく
・景気や情勢に影響を受けにくいビジネス
・繁閑の差が少ない
・転勤やなどの大きな変化がないこと
・淘汰されない能力や価値が身につく
このように言葉を分解していくことで、より鮮明な自分の価値観が見えてきます。
そして、さらに思考を深めていくと、「核」が見えてくるのです。
「淘汰されない能力を身につけたい」
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
なぜ?……いつまでも頼られたい。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
なぜ?……期待に応えられる快感がある。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
なぜ?……アルバイトの経験で〇△×~
「安定した企業がよい」という思考から、実は「他者の期待に応えたい」という欲求が根本にあることに辿りつきました。
面接では、質問という手段を使って、あなたの「根本」や「核」を知ろうとしてきます。
その対処として、事前にご自身で「なぜ?」と繰り返し深堀りをしておくことがとても有効です。
ただし、注意しなければならないのは、環境や福利厚生を軸とした発言は評価されにくいということです。
「倒産のリスクがないから志望しました」
「休日が多いので第一志望です」
こういった主張は歓迎されません。
覚えておきましょう。
さて、本記事では「軸」にまつわる話を進めてきましたが、最後によくある質問にお答えして締めくくろうと思います。
Q. 1 軸はいくつあればいい?
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具体性にもよりますが、3~5つあればよいと考えます。1つだと少なすぎますし、10つだと当てはまる企業がない可能性もあります。
少ない場合は、もう一度「よいと思う点」を説明会等で集めてみるとよいでしょう。
一方で、多すぎる場合はその中でも優先順位をつけてみるとよいです。その際は譲れる点、譲れない点を基準にしてみましょう。
Q. 2 軸が変わっちゃったらダメ?
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「最初は食品メーカーを見てたけど、ITにも興味を持って、今は介護が気になる!」
これは自然なことです。
「軸がブレブレ……」と落ち込むこともあるかもしれませんが、価値観や意思は常に変化するものです。
就活の時期は、たくさんの情報・人に触れることで大きく成長を遂げています。
むしろ、その変化があったことに着目し、なぜ変わったのかを考えてみましょう。
Q. 3 軸が浅いと言われる!
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「食べることが好きだから食品会社」
「英語を使いたいから総合商社」
そういった思考回路はよく理解できますが、確かに採用担当者の目線では浅いと言わざるを得ません。
前述したように深堀をしていくことで、自分オリジナルの軸を探し出すことができます。
しかし、ひとりで深掘りするのも、軸を突き詰めて考えていくのも一苦労です。
できれば、周囲の社会人や家族、友人など、第三者の意見をもらいながら考えていくことが効果的です。
「身近だと恥ずかしい」
「なかなか打ち明けにくい」
ということであれば、キャリアセンターやジョブラス新卒紹介をぜひ頼ってみてください!
今後の人生について考える上でも、自分の軸を探すことは貴重な機会となります。
ぜひ空いた時間に進めてみてくださいね!
さらなる軸探しにも役立つ!
就職活動の軸に関する記事はコチラ▼
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