就活生は、たとえ友人でも皆ライバル! 同じ大学だから仲間かと思いきや、企業によっては“偏った大学ばかりからの採用”を避けるため、「この大学からは大体○人くらい」などという緩やかな目安を設けるところもあるといいます。
就活生のなかには、同じ就活生から“嫌がらせ”をされたことがある人もいるようで……。JOBRASS編集部では、就職活動に行き詰まったことがある人218名に、「周りの同じ就活生と「足の引っ張り合い」をした・されたこと」があるかどうかを尋ね、ある場合はその理由を聞いてみました。
【周りの同じ就活生に「足の引っ張り合い」をした・されたことはありますか?】
・したことがあるがされたことはない 2.8%
・したことはないがされたことがある 10.1%
・どちらもある 2.8%
・どちらもない 84.3%
調査の結果、「したことがある」人は5.6%(「したことがあるがされたことはない」(2.8%)と「どちらもある」(2.8%)の合計)、「されたことがある」人は12.9%(「したことはないがされたことがある」(10.1%)と「どちらもある」(2.8%)の合計)でした。
「したことがある」人より「されたことがある」人のほうが倍以上多いという結果からは、就活生は、“自分はほかの人に足を引っ張られている”とネガティブに考えがちな傾向があるのかもしれません。
では、どんな「引っ張り合い」だったのでしょうか? エピソードを見てみましょう。
もっとも多かったのが、集団面接やグループディスカッションなど、採用担当者がいる前でのエピソード。自覚的に嫌がらせをした人にも、「集団面接でチクリと刺した」(男性/コンピュータ関連以外の技術職/32歳)という回答がありました。
グループディスカッションでは司会者から明らかにこちらが答えにくい質問を振ってくるなどされ、人事担当者の手前拒否することもできず、何らか返さなくてはいけないし……と、辛い思いをした人は少なくないようです。
・グループ面接で邪魔をされた(男性/その他/30歳)
・ディスカッションで答えにくい質問にわざとふってきた(男性/総務・人事・事務/28歳)
・グループワークで、司会者役を押し付けあう(女性/その他/26歳)
・グループディスカッションでこちらが不利になるようにはめられた(男性/会社経営・役員/33歳)
・他の人より出来たためにシカトされた(女性/その他/37歳)
続いて多かったのが、「ホンネを言わない」ということ。自分も言わないし、相手もきっとホンネじゃないだろうな……と思いながらの、うすーい会話です。「自慢を言う」という場合、相手を不安にさせようという魂胆。逆に「自分もダメだから……」と自分を“低め設定”にするのは、相手を安心させておいて出し抜こうという魂胆。
・内定持ってるのにも関わらず『自分もまだ決まってないし!もうやめよ!就活』と言われることがあった(女性/営業・販売/23歳)
・嘘をつきあう(女性/その他/35歳)
・自慢ばっかり言い合う(男性/その他/28歳)
・本音を言わない(男性/コンピュータ関連以外の技術職/37歳)
面接や選考、企業情報などについて偽情報を教えられたという声も多く見られました。面接・選考は調べれば確認できるかもしれませんが、タチが悪いのは「あの会社、実は○○だって」「その会社に知り合いいるけど、ブラックらしいよ」など、偽の企業情報。ほかの就活生の面接を受ける気をなくしておいて、自分が……というワケです。
・偽情報を伝えられる(男性/総務・人事・事務/35歳)
・選考の時間を嘘つかれた(女性/その他/27歳)
・就活情報を教えてくれない(女性/営業・販売/34歳)
・嘘の企業情報を教えられた(男性/その他/37歳)
自分自身のことについて、悪評を流されたという人もいました。とんでもない風評被害です。
・自分の先輩の社員に悪口を言っていた(男性/営業・販売/37歳)
・個人情報に関するデマを流された(男性/その他/31歳)
その他面接や選考の邪魔をされたエピソードとしては、「面接前夜にも関わらず飲みに誘う」(女性/その他/29歳)。たまには気分転換も大事なことですが、酔っぱらって次の日の選考に響いてしまった……なんてことにならないよう、ほどほどのところで切り上げるようにしましょう。
また「希望業界でもないのに一緒にセミナーについてきて入社試験も受けた友達がいた」(女性/総務・人事・事務/30歳)という声も。ただ、就活中に視野を広げるのも大事なことですから、一概に足を引っ張るつもりがあったとは言い切れないところではあります。
ホンネを言い合わないのは、就活生の心理として避けられないことなのかもしれませんが、偽情報やデマについては、自分で調べる/悪口を言われていたとしても、覆すだけの“本当の自分”を見せる力をつけておくことで少しは回避できそう。グループディスカッションでも、自分の考えがしっかりしていれば、ミエミエの嫌がらせなんて気にしなくても大丈夫。面接官は、“嫌がらせをしている人”のほうも、きちんと見ていますよ。大切なのは、自分の力で情報を手に入れ、自分の頭で考えて就職活動に臨むことです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年7月15日~2016年7月21日
対象:就活に行き詰まった経験がある人 計218名