みんながみんな、希望業種に行けるわけではありません。ではどのくらいの人が、“方向転換”を考えたのでしょう? JOBRASS編集部では、内定欲しさに希望していなかった業種へ方向転換した人の割合、また、その結果どうだったかを調べてみました。
【内定欲しさに希望していなかった業種へ方向転換した、あるいはしようと思いましたか?】
・はい 58.9%
・いいえ 41.1%
「方向転換を考えた」という人が約6割。方向転換は考えず、第一志望を貫いたという人が約4割という結果になりました。では、それぞれの話をみてみましょう。
辛かったが、やりがいを感じるという声が多くみられます。「希望ではないところから内定をもらっても、頑張れない」という考えの人たちです。
・正解でした。自分のやりたいことを1番に考えて決めたため、今とてもやりがいを感じながら働けています(女性/研究・開発/27歳)
・続かなければ意味がない(女性/営業・販売/40歳)
・希望の職種だったので後悔はない(女性/総務・人事・事務/32歳)
・自分が行きたい業界にいけて、現在、満足しているから(男性/金融関係/37歳)
新卒就職時の職種とそこで得たスキルが転職にもとても大切。新卒で適当な職種を選ぶとその職種以外に方向転換するのは難しいという経験者ならではの意見もありました。
・しなくてよかった。つらかったが、やりたい職種を目指してあきらめなかったおかげで今がある。無理して新卒でがんばって希望職種になったおかげで、確実にスキルが育ち、今は転職にも困らずフリーでも活動できています。妥協して職種を決めても楽しくないし、一生好きな仕事はできない可能性が出てきてしまいます(女性/広報・宣伝/29歳)
一方、方向転換したという人たちは、3つのタイプに分かれます。基本的には、「まず就職すること」を第一にするという考えがある人たちで、多いのは「入ってからやりがいを見つけることができた」という人。与えられた仕事に前向きに取り組めた人たちです。2つめのタイプは「最初の就職でスキルを積み、転職を考える」人たち。そして最後は「就職したものの、やっぱりイヤになった」という人たちです。
●入ってからやりがいを見つけることができた
・正解だったと思います。営業職は希望していませんでしたが、ご縁があり営業職で働いています(女性/営業・販売/25歳)
・結局希望業種とは違う会社に入社したが、関連会社ではあるため今の会社でステップアップと貯金をして希望職種へ転職しようと考えている(女性/コンピュータ関連以外の技術職/22歳)
・入ってから頑張ればいい(男性/営業・販売/27歳)
・正解だった。全然違う職に就いたが、そこでやり甲斐を見つけた(女性/営業・販売/27歳)
・正解だったと思う。他の知識も学ぶ事ができた(女性/会社経営・役員/34歳)
・結局入ったところの職場で興味ある仕事ができたので結果オーライだった(女性/研究・開発/30歳)
・正解だった。自分の好きな仕事と向いている仕事は別なので(男性/営業・販売/37歳)
●最初の就職でスキルを積み、転職を考える
・元々自分のやりたいことがハッキリ定まっていなかったため、その後2年かけて回り道しましたが、やりたい事よりも、出来る事と考えをシフトしたおかげで今の職に辿り着くことが出来ました(男性/公務員/44歳)
・正解。就職できなければそこで終わる(男性/コンピュータ関連技術職/45歳)
・働くことに変わりは無いから(女性/総務・人事・事務/40歳)
●就職したものの、やっぱりイヤになった
・内定を得るためという目的だけに関して言えば正解。しかし、仕事は長続きせず、すぐに辞めてしまったので結果としては不正解だった(男性/コンピュータ関連以外の技術職/40歳)
方向転換を考えるのも、考えないのも、人それぞれ。マスコミに行きたかったものの、メーカーに方向転換したある女性(33歳)は、
「激戦に萎えて、方向転換しました……。決まればどこでもいいという気持ちはありましたが、金融だけは行けそうにないな、と、“消去法”で業界を決めました。あと、出会った採用面接官の人たちがみんないい人そうだったこと。この人たちがいる会社ならやっていけそうだと思ったんです。結果内定をいただき、今、満足して働いています。むしろマスコミ業界でのハードな働き方は、私には向かなかったかも」
と話してくれました。内定を一つもらえたら自信がついて、その後好転することも多いもの。行き詰まりを感じていたら視野を広げてみるのもいいでしょう。いずれにせよ大事なのは、「その選択で自分が納得できているかどうか」ということですね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年5月13日~2016年5月30日
対象:就活に行き詰まった経験がある人 計106名