インターンシップの直前に不測の事態がおきてしまったら、どのような点に気を付けて辞退・キャンセルすべきでしょうか。
原則、辞退・キャンセルをしないようにするべきですが、企業へ連絡する際のマナーについて考えてみましょう。
インターンシップに複数応募すると日程が重なってしまった、家族が病気になってしまった、テストと重なってしまったなんてことが起きるかもしれません。企業側は辞退する学生がいることも想定内ではありますが、日程調整できるものは調整し、できるだけキャンセルしないようにするのがベスト。キャンセルをする場合は誠実な対応を心がけるようにしましょう。採用過程の一部にそのインターンシップが含んでいる場合がありますその場合のキャンセルはその企業を諦めた、と捉えられますので、簡単にキャンセルを決めないようにしましょう。
とはいえ、インターンシップ開催直前に連絡するのはNG。どうしてもキャンセルしなければならない、と決まった場合は速やかにキャンセルの意思表明をしましょう。できればキャンセルしたくないだけに、嫌なことは先延ばしにしてしまいがちですが、時間が経てば経つほど、相手企業に迷惑をかけてしまいます。早い段階でキャンセルをすれば、他の学生さんのチャンスを奪わないで済みますし、企業にかける不都合も少なくて済みます。キャンセルしなくてはならないとわかったら、すぐに連絡を取りましょう。
・電話→メール連絡
インターンシップをキャンセルするときは、まず電話で連絡し、それからメールで確認するようにしましょう。誠意を伝えるためには、一方的に自分の要望を伝えることになるメールだけで済ませると、印象を悪くしてしまう可能性が高くなります。確実に相手に伝わる方法をとり、それを書面で残す、という手順は他の場面でも有効です。また、メールだけだと、担当が見逃してしまう可能性もあります。自分で確認するためにも、まず電話をかけましょう。ただ、企業によっては、キャンセル時でもメール連絡のみを明示していることがあります。その場合は、丁寧なメールで意思を伝えることになりますが、それ以外の場合は、必ずまず電話をかけるようにしましょう。
・電話をかけるときの注意点
電話をかけるときには、内定をもらった際に担当者の名前が書かれているはずなので、その方に直接かけるのがマナーです。もしなければ、インターンシップの担当者につないでもらいます。電話では、担当者の貴重な時間をもらっていることを念頭に置いて、必要事項を明解に、伝えるようにします。何を言うかは、前もって考えておくと安心です。以下の5点は必ず入れましょう。
1. 自己紹介:まず名前と大学名
2. インターンシップのプログラムと参加日程
3. 日程変更ができるかどうか。100%キャンセルしてしまうよりは、日程変更ができるのかどうか確認してから、できないようならキャンセルし、できるようなら日程変更をお願いするというのもありです。その場合には、いつに変更するのかある程度スケジュールを確認しておくようにしましょう。
4. キャンセルの理由
5. キャンセルに関する謝罪
キャンセル自体が企業に迷惑をかけることだというのは忘れずに、はっきりと聞き取りやすい話し方をし、言葉遣いには気を付けるようにしましょう。
・メールを書く際の注意点
電話をした後、メールを送ります。日程変更になった場合には、確認する意味もありますし、書面で残しておくことは自分を守ることにもなります。メールを書く際の必要事項は以下の点です。
1. 宛名:電話で応対してくれた方の名前を確認しておきましょう、漢字を確認しておくと良いかもしれません。
2. 自己紹介:氏名と大学名だけでなく、先ほどお電話させていただいた、という形で、電話をしたことを明記しましょう。
3. 参加予定だったインターンシップのプログラムと日程を明記したうえで、日程変更ができたならば、日程の確認をする、キャンセルの場合は辞退する旨を書きます。
4. 最後に謝まりの言葉を書きます。
メールは残ってしまいますから、誤字脱字等がないか、必ず見直してください。また、読み直して相手がどういった印象を持つかも確認するようにしましょう。
当然のことですが、嘘はつかないようにしましょう。嘘をついていては、誠実な態度をとることができません。せっかくもらったインターンシップの内定をキャンセルするのには、それなりの理由があるはずです。その理由をできるだけ丁寧に相手の感情を害さないように伝えるようにしましょう。
もちろん、インターンシップをキャンセルする理由に、「アルバイトが入った」「旅行に行く」といった自分本位なものは通用しません。「授業が忙しくなり」というのも、通常カリキュラムは決まっているはずですから、それだけでは、「なぜ申し込んだのか?」となってしまいます。試験の日程と重なってしまったというような事態も、試験日程は元々わかっていたのではないか? と思われ、計画性がないと判断されてしまうかもしれません。試験を理由にするとしたら、インターンシップの日程が伝えられて直ぐに、重なってしまうのがわかった時に、即、行動に移すようにしましょう。ゼミ合宿や連続講義などの、日程がフレキシブルに変わる可能性が高いものであれば、キャンセルの理由になりやすいかもしれません。
他社のインターンシップと重なってしまった場合に、正直にその旨を伝えるのが良いかどうかは、企業によるかもしれません。相手先企業への志望度を考えて、高い方を選ぶことになりますが、その時点ではそれほど志望度が高くなくても、後々、志望したくなる可能性はあります。申し込みをした時点での雰囲気や対応を考えて、正直に伝えるかどうか決めるようにしたいところです。
インターンシップはあくまでも、「就業体験の機会」。ですから、インターンシップを断ること自体は、自分がその機会を一つ逃すだけで必ずしもその後の選考に影響を与えるわけではありません。対応の仕方を実体験でき、自分の経験値を上げる機会ともいえます。キャンセルした企業を志望するとしても、志望動機の欄に、「インターンシップをやむを得ない○○の理由で辞退させていただいた際、御社の対応に感銘を受け……」と後につなげることはできます。ただ、そのようにつなげるためには、キャンセル時に嫌な印象を与えてしまわないように。電話→メールの手順をきちんと踏み、それぞれの段階で誠実で丁寧な言動をとるようにしましょう。何事も人間関係ですから、自分が企業の担当者だったらどう思うか、と常に考えながら行動できると、それによって結果が変わることもあるかもしれませんね。