「面接では第一印象が重要」ということは、何度も聞いたことがあるかと思います。中には「58.5%の人事が『面接は最初の3秒で決まる』と思っている」なんて調査結果もあるほどです。“3秒”なんて短さではないとしても、限られた面接時間の中で、最初に躓くと「自分らしさ」をアピールできないまま、ズルズルと面接が終了してしまうことも少なくありません。「どんな面接官を相手にしても大丈夫」という完璧な必勝法は存在しませんが、スムーズに面接を開始させるための「つかみ」のコツのようなものはあります。
今回は、4つのコツをご紹介するので、自分に使えそうなものがあれば応用してみてください。
これは特に緊張しやすい人には有効な「つかみ」のコツです。緊張しやすい人が面接でやりがちな失敗のひとつに、「相手の言葉に素早く適切な言葉を返さなくてはならない」と、自分に過度のプレッシャーをかけてしまい、トンチンカンな回答をしてしまうことがあります。そして、自分が的はずれな回答をしてしまったことでさらに動揺してしまい、負のスパイラルが生まれることに。
「自分にはそういうクセがあるな」と自覚している人は、面接の序盤は即答を避け、ひと呼吸おいてから返事をするようにしましょう。この際、できるだけ笑顔で相手の目を見るようにすることがポイントです。面接官に「慎重に言葉を選んで回答しているのだ」という印象を与えることができれば、「ツカミは成功」といえるでしょう。
面接当日は必ず新聞やインターネットで最新のニュースをチェックしておきましょう。政治・経済の主要ニュース、事件や事故、スポーツの国際試合の結果などが時事ネタとして、冒頭の雑談で登場することはよくあります。
たまたま自分が知らないニュースが話題となることもありますが、手持ちのネタが豊富なら「そういえばこんなこともありましたね」とさりげなく話題を変えることもできます。面接の冒頭のちょっとした雑談はお互いをリラックスさせ、面接をスムーズに進行するためには重要なことです。なるべく多くのネタを持っておきましょう。
自己紹介の際に「最近こんな失敗をしてしまいました」など、自分の日常の軽い失敗談を添えると、その場を和ませることができます。学校やアルバイト先でのちょっとした失敗談を選びましょう。ただ、大きなウケを狙ってすべったり、取り返しのつかない失敗を話してどんよりした空気にしたりするのは逆効果になってしまうので気を付けましょう。面接官にクスリとでも笑ってもらえればペースはこちらのものです。
人前でリラックスして話すための古典的なおまじないに「手のひらに『人』という字を三度書いて飲む」というものがあります。「人を呑む」という意味のようですが、どんなやり方であれ、自分流のおまじないを用意しておくことは、面接に平常心で臨むために役立ちます。マスコットやキーホルダーなど、心理的なお守り効果があるものを持つということでも構いません。
また、痛覚は記憶に結び付きやすいので、家にいるときに小指を強く握る習慣をつけ、面接前に小指を握ってリラックスするという手法もあります。どんな些細なことでも「このおまじないをやったから大丈夫」と自分で思えることが大切なのです。
平常心で臨むこと。これこそが最高の「面接の入り口」ではないでしょうか。