就活生に人気の企業も多い証券会社。それだけに志望者も多く、難関企業になっています。どんな志望動機を書けばよいのか、悩んでしまうかもしれません。就職の内定を勝ち取った先輩方に、志望動機を書くコツを聞いてみました。
(※こちらの記事は、2016年3月10日に公開したものを更新しています。)
志望動機に必ず入れなくてはならないのは、「なぜその企業を志望しているか」ということです。
証券会社の場合は、
①なぜ金融なのか
②金融の中でなぜ証券会社なのか
③そして数ある証券会社の中でなぜその証券会社を志望しているのか
という3段階を明らかにしましょう。どのような志望動機を書いたのか、内定をとった先輩方にきいてみました。
志望動機を書く際には、業界研究と企業研究に力を入れました。いずれ転職をする可能性も考えて、証券会社を志望していたので、証券会社各社の研究をしました。OB訪問は、時期を変えながら複数の方に会っていただきました。それぞれの企業の理念や風土といったものを自分なりにまとめて、説明会やOB訪問をするたびに書き加えていくようにしました。
「私は、人と関わりながら人間性と専門知識の両方において成長できる証券業界、特にリテール営業を志望しています。様々な証券会社の中で、リテールの強い会社は、野村証券と御社だと思っています。ただ、野村証券はリーディングカンパニーであり、実力主義ではあるもののトップダウンの色が強いと感じました。一方で、御社は、個人で勝負という性質が強く、良くも悪くも自由な社風があります。私はどちらのやり方にも惹かれるのですが、自分の中で「こういう風にやってみたい」という考えを試してみたいと思います。そのため、自由の色が強い御社を志望します。また、企業訪問の過程で、御社の人情味溢れる社員の方々に出会い、自分の人間味を大切にしながら成長できる環境があると思い、御社を志望しました。」
会社説明会やOB訪問を中心に企業研究をしました。質問事項を列挙しておいて、説明会でも必ず質問をするようにしました。金融が第一志望なので、金融関係の企業を中心に説明会や選考に参加しました。色々な会社を比較して見られるようになったと思います。
「金融はダイレクトに経済に影響を与える産業です。私は日本経済に活力を与えたいです。御社の説明会で、直接投資は企業が新しい事業に挑戦し成長するのを助けると学びました。私も証券営業を通して商品の魅力を広め、経済に活力を与える仕事をしたいと考えています。御社は、メガバンクの国内顧客基盤と豊富な海外の情報力を持っておられ、その影響力で他社との差別化が可能であるという点に魅力を感じ、御社を志望しています。」
証券業界がどうなっていくと思うか、その中で自分が証券会社の業務を通してどんなことをしたいのか、将来的にどういった貢献をできると思うのか、といった将来のビジョンを志望動機に盛り込みましょう。また、なぜそう思うに至ったかの裏付けとなる経験も含めると説得力がある志望動機になります。
セミナーにはできるだけ参加しました。地方のため、首都圏と比べると数が少なかったかもしれませんが、片っ端から参加しました。業界や会社の理解につながるし、志望動機の説得力も出せると思います。支店訪問は業務のイメージをつかんだり、社員の方から本音の話を聞いたりできたので良かったと思います。もっと早い時期にしておけばよかったと思いました。
「入社後はリテールで多くのお客様と関わる仕事を希望しています。4年間続けてきたサークル活動や接客のアルバイトを通して培ってきた、お客様が何を求めているのかを察知することができる洞察力と人を惹きつける人間力で勝負をしたいと考えています。私にとって一番大切なのは、人との関わりです。資産運用のコンサルティングを通して高度な専門性を身に着けることができるのも魅力です。御社は、リーディングカンパニーであり、キャリアの方向性も多様に開かれていると伺いました。入社後にさらに学びながら、キャリアの方向性は固めていきたいと考えております。」
証券会社に勤めているゼミの先輩に、「将来のビジョンを描け」と強く言われたので、その点を意識しながら業界研究をしました。入社後どういう仕事がしたいかなども聞かれると思いますので、それなりの準備は必要です。他の証券会社や銀行と差別化ができているか、その差別化の説明が説得力を持っているかも大事だと思います。面接では、緊張しても、それを表さないように気を付けて、簡潔に分かりやすく論理的に話すことを心がけました。書いた志望動機をそのまま話すのではなく、相手の反応を意識しながら話し方を変えました。自分の体験を話す際には、自慢話に聞こえないように気をつけるといったことです。
「日本は個人金融資産の比率が高い国ですが、その資産に占める証券の割合はまだまだ少なく、これから貯蓄から投資への流れが強まっていく中で、証券業界はさらに活性化していくと思います。そうした上向きの環境の中、目標達成のために努力、工夫することで自分自身を鍛えることができ、自分が出した成果が数字として評価されるというのはやりがいに繋がります。御社は、金融のプロを育てるという人材育成の方針を出しておられ、そのための研修、トレーニー制度も充実しているとききました。また、銀証連携を活かして、本邦NO.1の総合証券会社を目指しておられ、大きな伸びしろがあると考えます。私も、その伸びしろの中で活躍したいと思い志望いたしました。」
作り物は見破られてしまいます。経験やエピソードは、実際にあったことを基にしましょう。自分が今までに経験したことに自信を持ち、志望動機のどの部分の裏付けに使えるのかを仕分けしてみてください。経験が不足していると感じたら、OB訪問やセミナー参加、支店見学などを通して、経験を増やすようにしましょう。
ゼミで学んだことが元々のきっかけだったので、それを素直に出しました。地方銀行のインターンプログラムにも参加させていただきましたが、業界研究をしていく過程で、手に職をつけるとなるとやはり証券会社が良いということに気づきました。今は、定年まで同じ会社に居られるという保証がありませんから、専門性を身につけられるというのも証券会社の良い所だと思います。もちろん、将来転職するつもりというわけではないのですが……。
「私は、○○ゼミで金融が様々な産業を支えている仕組みを学び、自分も日本経済を支える根幹のところで働きたいと金融を目指しました。御社は、銀行・証券・信託が密な連携をとっているみずほグループの中にあり、グループ力を最大限に発揮することで、お客様により付加価値の高いサービスを提供されていると思います。私も御社で多面的な専門性を身につけて、顧客・企業のニーズに最適な提案をできるようになりたいと思い、志望しました。」