就職活動スタート、とはいっても、何から手を付けたら良いものやらと思っている人は多いでしょう。よく巷の就活対策本には、「まずは自己分析をしよう!」などとうたい、「今までの人生で嬉しかったこと」や「喜びを感じたのはどういう時か」を時系列に書き出させるページがあります。
ですが、思い出を振り返る前に、「なぜ自己分析をするのか」を考えてみましょう。もしかすると、自己分析をする順番を見なおしたほうがいいかも……!
一般的に、一連の就職活動でおこなう項目は以下のとおり。
1)自己分析
2)企業・業界研究
3)会社説明会、OB・OG訪問
4)自己PR、志望動機
就活で自己分析をする目的は、「自分に合う企業に採用してもらいたいから」ですよね。採用してもらうためには、この自己分析を元にして「自分のどういう部分が、その企業で働くのに適しているのか」をプレゼンテーションして自己PRをする必要があります。
そう考えていくと、あらかじめターゲット(企業)をわかっていたほうが、自己分析しやすいという場合もあるのではないでしょうか。
まずは自分が気になる企業を思い浮かべてみる
↓
どうしてその企業で働きたいと思うのか考える(自己分析)
という流れのほうが、自分でも気が付かなかった“好み”がわかるかもしれません。
また、自己分析を先にすると「自分はこういう人間だから○○業界が向いているはずだ」などとガチガチに固めすぎてしまい、活動が長引くうちに「あれ? ここは自分に向いていないかも……」と気づくことがあります。
しかし、いったん自己分析を後回しにして、先に会社説明会へ行くことによって、早めにそうしたミスマッチを回避できるかもしれません。
もちろん、自己分析をするのはとても大切なことですが、完璧にできるまで次の段階に進まないという考え方は危険です。特に、自己分析で行き詰まりを感じている人は、とりあえず先に会社説明会に行くことをオススメします。
ある商社マン(34)の話。
「学生の考える『やりたいこと』は、ハッキリ言って、たかが知れています。僕も就活のときに“人と人をつなぐ仕事がしたい”などと言っていましたが、具体的なプランがあるはずもなく、なんて浅はかな回答だったんだろうと……。考えようによっては、社会に出て働くということは、どこかで“人と人をつなぐ”ことになっているハズです。
それから、自分がやりたいことというのは、あるようでないほうが、結果的に“役に立つ”人間になれます。僕の場合は最低限、生理的に無理そうなことだけを避けました(ちなみに金融関係でした)。
そうして、その時々で頑張っていると、不思議なことに、もともと自分がイメージしていた“やりたいこと”に近づいていけるのですね。思うに、やりたいことって、そもそもそんなに明確な形ではない気がします。ふわっとしたイメージがあるだけ。なので、学生のうちからやりたいことがバシっと決まっているほうがむしろ異例。そういう人はベンチャーとか、才能を活かしてタレント活動とかにいくでしょうし。
僕は今の部署で、“こういうことをしているから、こうしたほうが人が笑顔になれる”ということを語れます。そして、人が笑顔になれることをするのが、僕のやりたかったこと。でも、学生のうちにこういうことは語れませんよね。なので、やりたいことなんて、なくていいんです。ただ、自分がどういう働き方をしたいか、どういう社風の会社で働きたいかといったことは、明確にしておいたほうがいいでしょう」
最初は“なんとなく”でOK。まずは会社説明会に足を運ぶことです。その場でエントリーシートを書かされることもあるでしょう。情報収集と自分の内面を見つめる作業を繰り返すことで、その企業や業界に合う自己分析がブラッシュアップされていきます。
とりわけ今年は短期決戦。座ってネットばかり見ていても、何も始まりません。とにかく行動しながら見つめなおし、考え、どんどん軌道修正していくことです!