志望動機は、面接に際してもポイントとなる重要な項目です。業界研究、企業研究をしたうえでよく考えて書く必要があります。では、信用金庫への志望動機を書く時に、まずどんなことに気を付けなければいけないのでしょうか、どういったことを盛り込めば、説得力のある志望動機を書くことができるでしょうか。例文を交えながら、まとめてみました。
(※こちらの記事は、2016年2月11日に公開したものを更新しています。)
信用金庫でどういった仕事をしたいのかを明確にするには、信用金庫の特徴を知っておく必要があります。まず、信用金庫に関する業界研究をしましょう。他の金融機関である、メガバンクや地方銀行との違いは何か、という点は必ず押さえてください。
信用金庫は、協同組織の地域金融機関です。中小企業を専門にしており、大企業とは取引ができません。協同組合なので、基本的に組合員である中小企業に出資をします。営業地域が決まっていて、地域内で資金を循環させます。銀行とは異なり、営利目的ではなく、地域の企業の活性化を目的としています。
志望動機を書く際には、まず、信用金庫という業界の特徴を押さえた上で、なぜ信用金庫を希望し、どういったことをしたいのかを説明しましょう。
■地域密着型で地域社会への貢献ができること
「私は、お客様1人1人と向き合いながら、金融を通して地域社会に貢献していきたいと思っています。信用金庫であれば、地域で展開するお客様とより密接な関係をつくりあげ、業務を行いながら、地域に貢献できるのではないかと考えました。」
「私はこの県で産まれ育ちました。育ててもらった地元に恩返しがしたいという思いをかなえるために、地域に密着した金融サービスを行える信用金庫を希望しております。」
■営利目的ではなく、地域企業の支援を目的としていること
「私は、貸し渋り、貸しはがしといった銀行の負の側面といったものに常々疑問を感じていました。信用金庫の営利ではなく、地域の企業への貢献を目的とする姿に共感し、私自身も地元企業活性化のために貢献したいと思っています。」
自分がどのように働きたいと考えているのか、どのように貢献できると思うか、という点も含めると、より具体的になります。業界研究に基づき、自分のどういった部分が信用金庫に向いているのか、どういった経験がアピールできるかを考えましょう。自分にないものをつくって書くのは控えてください。百戦錬磨の人事の人には見破られてしまいます。自己分析をする際に、信用金庫の特徴と沿う部分が何かを考えるなら、アピールできる部分が見つけやすいかもしれません。
■特徴をアピール
「私はこの県で産まれ育ちました。大学進学を期に地元を離れましたが、そのおかげで地元のことを客観的にみられるようになったと思います。地元に関する知識と、地元愛を活かして地域経済の発展に貢献したいと思っています。」
■性格をアピール
「私は臆病なところがあります。金融を通して、地元に貢献したいと願っていますが、投資信託のようなハイリスクな商品を売ることはできないのではないかと思います。貴庫の、投資信託の扱いがないという点にまず魅力を感じました。臆病という言葉はマイナスイメージかもしれませんが、臆病なだけに、1人1人のお客様にきちんと向き合い、業務においても確実な仕事を行えると思います。」
■経験をアピール
「大学時代に、県産品のアンテナショップでアルバイトをしていました。地元の特産品を県外の方々に勧める仕事は、地元のことを再確認する機会を与えてくれました。地元の振興のためには、資金が必要です。必要なところに資金を提供し、地元が活性化する手助けができればと考えるようになり、信用金庫で働きたいと思いました。」
業界志望動機を明らかにしてから、なぜその信用金庫を志望しているのかを書きましょう。そのために、会社研究、企業分析をしてください。会社の特徴、経営理念、強みといった部分を理解してください。そして、自分が惹かれる特徴や理念を明らかにしましょう。企業見学に行く、信用金庫の支店に行ってみる、OB訪問をするといった経験を通して、その信用金庫の雰囲気を知っておくのもよいかもしれません。なぜ、その特徴に惹かれるのか、その理念が魅力的なのかを考えてください。自分の経験や性格、特質を絡めながら、具体的にその信用金庫で働きたい理由をアピールしましょう。
■経営理念や特徴への共感をアピール
・リスク商品を扱わず、「貸さぬも親切」という理念のある信用金庫の場合
「貴庫は“貸さぬも親切”という理念の下、リスク商品を扱わず、お客様の立場に立って安心安全を提供しておられます。私も、常々信頼関係が最も大事だと思っております。貴庫でなら、人を大事にしながら、本当に役に立つ仕事を自信を持って行なえると考えました。」
・土日祝日が休みで福利厚生が充実している信用金庫の場合
「貴庫は福利厚生が充実し、人を大切にする姿勢を打ち出しておられます。私は、働く人が幸せでなければ、お客様のことを幸せにするのは無理だと思っております。真に地元に貢献するために、私生活も充実させながら、仕事をしたいと思いました。」
しかし福利厚生はあくまでも企業の特徴の一部。”業務・事業内容”に関する特徴や共感点を把握しておきましょう。
■企業訪問やOB訪問を通して得た感触をアピール
「説明会や支店訪問の際に、私たちの質問にとても優しく、丁寧に対応してくださいました。私も貴庫で、先輩方の実践されている接客力を身に着け、お客様1人1人がいつもここを使いたいと思っていただけるような仕事をしたいと思います。」
「会社説明会の際に、貴庫の社内教育システムに関するお話がありました。大学のOBの方にも、充実した研修システムがあると伺っております。貴庫でなら、きちんと研修を受けて得た知識を、地元のお客様に自信を持って還元できると思いました。」
信用金庫の志望動機を書くに当たって気を付ける点をまとめました。
1. 業界研究を行い、なぜ信用金庫を志望しているのかを明らかにします
2. なぜ信用金庫なのか、自分がどのように貢献できるか、どのような仕事がしたいのかを書いてください
3. 企業研究を行い、なぜその信用金庫なのかを明確にしてください
「私は、生まれ育った地元に貢献したいと考え、地域社会の経済を支える信用金庫で働きたいと思いました。地元のため、近くにある支店は度々利用しております。常々、貴庫はどの金融機関よりもお客様との距離が近く、お客様への思いやる気持ちが強いことを感じておりました。私も、1人1人のお客さまに向き合いながら、お役に立てる喜びを感じたいと思います。説明会の際にご案内いただいた貴庫の充実した研修制度を通して、自分自身を成長させることが出来ると思い、貴庫を志望いたしました。」
「私は地元松本で産まれ育ちました。大学の授業を通して、金融という観点から地元に貢献できる信用金庫に興味を持ちました。私はサッカーをするのも好きですが、試合を見るのも好きです。もちろん、地元の松本山雅を応援しています。貴庫は、松本山雅の公式スポンサーとして、地元企業を応援する姿勢を打ち出しておられるのにも、常々感銘を受けておりました。私も、貴庫の一員として、山雅を含め地元企業に貢献したいと思います。」