内定をもらって、無事新入社員になっても、最初の何ヶ月間は「試用期間」というものがあります。これは本当にその人が社会人として“大丈夫”か、またその企業で働くビジネスマンとして向いているかどうかを確かめる期間。この期間を通過して、「本採用」になるという流れです。
「え~、試用期間といったって、形式上でしょ? 本当にそこでクビになる人とかいるの?」なんて思うなかれ。いるんです。当たり前ですが試用期間でクビになったら、また就職活動のやり直し……。しかも次の就職活動時には、面接官から「何していたんですか」「何故前の会社を辞めたんですか」なんて、質問攻めにあうこと必須です。
JOBRASS編集部では、実際「試用期間中の従業員に辞めてもらったことがある」という採用担当者に取材。その理由を探ってみました。
まず、全国の採用担当者100名に、「試用期間中の従業員に辞めてもらったことがありますか?」という質問をしたところ、「ある」と答えた人が約4割。なかなかの割合です。
【試用期間中の従業員に辞めてもらったことがありますか?】
・ある 41.0%
・ない 59.0%
では、その理由は? 調査の結果、大きく4つのポイントが浮かび上がってきました。
遅刻なんてもってのほか! 勤務態度は、社会人としてもっとも大切な部分です。例え小さなことでも、それが周囲に悪影響を及ぼすほどだと、ちょっと考えてしまうということでしょうか。
いずれにせよ、職場は一人ではなく、また一人で売上を立てられるわけではないのです。人と一緒に働くことを第一に考え、迷惑をかけないように意識すれば、勤務態度もきちんとできることでしょう。
・遅刻が多く、マナーもなっていなかった(女性/東京都/58歳)
・遅刻や、頻繁なケガなどによる欠勤(男性/北海道/50歳)
・飲酒(男性/大阪府/30歳)
・勤務の不良によるもの(男性/兵庫県/51歳)
・いい加減(男性/愛知県/57歳)
・勤怠が極端に悪かった。その理由が嘘だった(男性/埼玉県/33歳)
・無断欠勤や就業態度(男性/神奈川県/49歳)
病気の状況にもよりますが、社会人として会社に勤めるためには、体調管理も必要な能力のひとつです。
・病気(男性/埼玉県/45歳)
・健康上の問題が判明した(男性/埼玉県/44歳)
初めて会社生活というものを経験し、馴染めない人もいます。働き続けてもらうのは困難と判断した場合、本採用を見送る場合もあるようです。
・制度に馴染めない(男性/宮城県/51歳)
・会社生活になじめなかった(女性/神奈川県/56歳)
・あまりにもコミュニケーションがとれず、同じことを何度言っても覚えないので(女性/埼玉県/56歳)
・周りの人(同期の社員)との行動についていけない。自分の世界があったから(男性/広島県/44歳)
仕事内容、企業文化に向いていなかったという理由がこちら。これは「お互いのため」。
・作業に向いていないから(男性/青森県/53歳)
・事務職だが、きちんとした仕事ができなかった(女性/東京都/53歳)
・職務が遂行できない(男性/東京都/43歳)
・企業文化とのマッチングが違いすぎ、それぞれのwinに繋がらないと判断したから(男性/神奈川県/54歳)
・適性にかけていたから(男性/東京都/50歳)
もちろん企業側から本採用されないのではなく、入社後に自分で違和感をおぼえ、辞退する人もいなくはありません。ただ、なるべくなら新卒での就職活動は一発で決めたいもの。時間に融通がきき、自由の多い学生生活と違い、会社員生活を迎えるには、ある意味「覚悟」も必要ということですね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年1月14日~2016年1月20日
対象:企業の採用担当者 計100名