がんばって就職活動をしたし、無事に就職できたけれど、振り返ってみると「もっとあの時、ああしていれば……」と思っている社会人は、案外多いものです。それだけ就職活動が難しいということでもありますが、JOBRASS編集部では、社会人100名に「就活のときやっておけば良かったと思うこと」を聞き、ランキング化してみました。
ダントツTOPだったのは、自分がいきたいと思う会社や業界以外にも、いろいろと考えてみたらよかった……という声。
入社する前に思い描いていたことと、飛び込んでみた後では、ものの見え方や考え方が変わってくるというケースはよくあることです。企業規模についても、大手にこだわりすぎなくてよかった、という声がありました。
また2位にランクインしたのは「企業・業界などのリサーチ」。1位に続いて、入社後にも「絞り込みすぎず、またもっと企業・業界のことを調べておけば良かった」と思っている人が多いことがうかがえます。
その他多い順に、次のとおり。
1位:「希望の会社以外も考えるべきだった」
2位:「企業、業界などのリサーチ」
3位:「勉強、資格取得」
4位:「人脈づくり」
5位:「インターンシップ、就業経験(バイト含む)」
7位:「面接の練習」
8位:「マナー、教養」
では、それぞれの理由をみてみましょう。
以下、全然希望していなかった食品メーカーに就職し、今はハッピーという女性(28歳)の話。
「なんだかんだいったって、所詮は就活生の希望なんて、“学生が考えるレベル”の域は出ません。私は全然希望していなかった食品メーカーに就職しましたが、人に恵まれて、今はこの会社に就職してよかったと思っています。
ちなみに今の会社を受けたきっかけは、偶然目にしたパンフレットに出ていた人がイケメンだったから(笑)。行く気がなかったので、面接でも言いたいことを言っていました。
採用通知をいただいたときにも辞退しようと悩みましたが、正直他が全滅だったのと、“自分のことを買ってくれるところなら、自分には見えていない「何か」を持っているのかも”と思って、“必要としてくれるところ”に行ってみようと思ったのです。
採用前にも言いたいことを言っていたので、そのうえで私のことをいいといってくれるなら……という思いも大きかったですね」
・それぞれの希望以外の会社のことも真剣に考えればよかった(男性/北海道/営業・31歳)
・色んな業種、職種を知ること(男性/東京都/営業・35歳)
・自分にはあわないと思う会社を受ける(男性/岐阜県/営業・32歳)
・もっと色々な業種を受ければよかった(女性/兵庫県/営業・30歳)
・いろいろなジャンルの企業をうけたかった(男性/北海道/一般事務・32歳)
・業種を絞らず、色々な企業の話を聞いておきたかったと思う(男性/東京都/総務・32歳)
・もっといろいろな業種を受けてみれば面白かったかなと思います(女性/東京都/一般事務・30歳)
・地味な企業を知る(女性/愛知県/一般事務・26歳)
・大手にこだわりすぎない(女性/三重県/その他専門職・33歳)
ほかの会社、業界を受ければ……というものに関連しますが、「研究不足」をあげた人も多くみられました。
「新卒の駒を大事に使えばよかった」(男性/神奈川県/営業・30歳)
「たくさんの業種をみて人生勉強するチャンス」(女性/愛知県/人事採用・33歳)
という声にあるように、新卒のときが最も自由にさまざまな業種と触れあえる機会です。企業、業界研究は、やってやり過ぎることはありません。
・もうちょっと探せば良かった(男性/東京都/営業・36歳)
・業界研究(男性/山形県/営業・28歳)
・もっと情報収集をしておけばよかった(男性/愛知県/購買調達・30歳)
・真面目に、仕事を探すこと(男性/岐阜県/総務・31歳)
・リサーチ(女性/東京都/一般事務・32歳)
・いろいろな企業をしらべるべきだった(男性/石川県/その他専門職・28歳)
1位、2位に次いで多かったのは、勉強や、資格の勉強をしておけばよかったというもの。
大学までの勉強をしていないと、基本的に「今まで何をしてきたか」という面接でのPRも薄っぺらいものになります。学生は「勉強が本分」だからです。
また、語学の大切さを痛感する人も多数。海外勤務の可能性がなくても、いまや日本で働く外国人も多く、英語の読み書きができたほうがいいのは間違いありません。
・語学の勉強(女性/東京都/営業・33歳)
・勉強(男性/大阪府/営業・33歳)
・資格取得(男性/東京都/一般事務・31歳)
・英語の勉強、資格の取得(女性/東京都/総務・31歳)
友達、OBを含め、「人脈」をつくっておけば良かったという声も少なくありませんでした。
就職活動の際、情報収集能力が運命を決めることがある、といっても過言ではありません。その情報収集をするにあたっては、自分の力だけでなく、人脈からもたらされるものも非常に重要です。必ず、自分の視点にはないものがあるからです。またさまざまな人と話し、人脈を広げることを通して、コミュニケーション能力を高められるというメリットもありそうです。
・OB訪問(男性/青森県/営業・33歳)
・友達をもっと作っておけばよかった(男性/東京都/営業・39歳)
・人脈作り(男性/神奈川県/営業・32歳)
・コミュニケーション能力を磨く(女性/北海道/その他専門職・31歳)
・人と上手く話せるようにしておくこと(男性/愛知県/その他専門職・29歳)
アルバイトを含め、就業経験を積んでおくべきだったという人も。働くとは、あるいは職場とはどういうことかを知っているのと知らないで面接を受けるのは、何かが違ってくるようです。
・インターンシップ、様々な職業についてより深く調べる事(女性/神奈川県/その他専門職・27歳)
・インターンシップをたくさんやっておく(女性/長野県/その他専門職・35歳)
・もっと就業経験を積んでおけばよかった(女性/大阪府/営業・31歳)
・もっとバイト経験をしておくべきだったと思う(男性/北海道/営業・27歳)
なかには「化粧の練習」(女性/石川県/その他専門職・32歳)という声も。確かに第一印象が大事な面接のときには、自分に合っていて、かつ社会人としてふさわしいメイクや髪型を研究することも大切です。
・自己分析、自分が本当にしたいことを考えること、礼儀作法(女性/福岡県/その他専門職・30歳)
・自己アピール(女性/福岡県/その他専門職・58歳)
・自己分析(女性/神奈川県/その他専門職・32歳)
面接でうまく話せなかったという人からは、「場慣れ」の必要性を説く声があがりました。自己PRのシナリオや一人での練習は満足いくようにできても、実戦でそれが出せないと意味がありません。面接に慣れるには、とにかく人前で話すことの場数を踏むことです。
・もっと面接へ行く(男性/大阪府/その他専門職・31歳)
・面接やESの効果的な方法(女性/神奈川県/その他専門職・30歳)
・納得するまで何度でも面接の練習(男性/大阪府/その他専門職・31歳)
マナーや一般常識の不足を嘆く人もチラホラ。就職活動のときに「もう少し知っていれば……」と後悔したようです。企業研究や自己分析だけでなく、一般常識(教養)の習得も心がけましょう。
・一般教養の習得(男性/大阪府/その他専門職・46歳)
・礼節マナーの徹底(男性/愛媛県/その他専門職・31歳)
先輩たちの「やっておけばよかったこと」。是非参考にして、就職活動をすすめてくださいね。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年1月14日~2016年1月20日
対象:社会人5~10年目の会社員 計100名