最近は「○○ハラスメント」という言葉が頻繁に聞かれますよね。職場では「セクハラ」「パワハラ」という言葉があります。セクハラはわかりやすいのですが、管理職が密かに悩んでいるのが「パワハラ」。普通に叱咤、あるいはミスを注意しても「パワハラ! パワハラ!」と騒ぎ立てられかねないというのが、その主な理由。JOBRASS編集部の調査では、4割以上の管理職が「パワハラ」を懸念して、言いたいことを飲み込んだ経験があるという実態が明らかになりました。
では、管理職はどういうときに「パワハラ」を懸念したのでしょうか?
【本来注意すべきことでも「パワハラ」になると考えてしまい、躊躇したことがありますか?】
・ある 44.0%
・ない 56.0%
男女別にみてみると、「躊躇したことがある」という男性は45.6%、女性は30.0%。男性のほうが「パワハラ」になりかねない……と気にする割合が多いことがわかります。
では、どういったことが「パワハラ」になると考えたかというと、おおむね以下5つに分類されました。詳細をみてみましょう。
ミスを指摘し、部下を教育・指導するのも管理職の仕事。ただ、「受け止め方によって」(男性/愛知県/総務・43歳)パワハラと捉えられかねないため、ものを言うときはいつも気をつけているという声が多数。
・仕事のミスの指摘(男性/埼玉県/企画マーケティング・48歳)
・若い世代に注意するときはいつも(女性/福岡県/営業・38歳)
・普通の叱咤激励がパワハラと取られかねないので、注意自体を躊躇してしまう(男性/愛知県/総務・44歳)
当たり前のことを言っても「立場が上」というだけでパワハラと捉えられかねない……という悩みです。
・上から目線でのはなしかた(男性/兵庫県/営業・56歳)
・説教口調なところ(男性/熊本県/財務経理・36歳)
・立場を利用(男性/東京都/情報システム・47歳)
・人前で注意(男性/福岡県/営業・39歳)
仕事をさせるときにも、「パワハラ」を気にする管理職も。最近の社員は、「相談窓口に駆け込むのにためらいがない」(男性/神奈川県/その他専門職・48歳)という声がありました。
・仕事内容の割り振り方(男性/埼玉県/経営者・54歳)
・予定外の業務を飛び込みで依頼すること(男性/群馬県/総務・57歳)
もっとも多かったのがマナー関連。管理職の男性で相手が女性の場合、例えばサンダルやノースリーブといった身なりを“職場にそぐわない”と注意したくても、セクハラを懸念するといった向きもあるようです。
・身なりに関して注意すること(男性/東京都/情報システム・44歳)
・何気ない言葉遣いや仕種の注意(男性/北海道/その他専門職・41歳)
・上司への礼儀がなっていないと言いたいところだったが、何となく言うのを躊躇った(女性/三重県/その他専門職・33歳)
・身勝手な行動に対して注意すること(男性/埼玉県/情報システム・53歳)
・態度が悪かったので叱ろうと思ったが、パワハラと思われないかと思った(男性/滋賀県/その他専門職・59歳)
部下の“出来”がイマイチだった場合、ついつい声を荒げたくなることもある……。そういったときにも「パワハラ」を懸念する声が。
・失敗したことに対する反省がないので、少し声を荒げてしまいそうになった(男性/京都府/その他専門職・42歳)
・言ってもやらないため、「言う事をきけ」ということ(男性/愛知県/企画マーケティング・50歳)
・何度同じことを言い聞かせても出来ない。わざとやっているのか? と思う時(男性/岐阜県/営業・47歳)
管理職のなかには、「会社を辞める相談理由が、社内恋愛の時」(男性/東京都/営業・58歳)と人間関係に悩む(?)声や、「コンプライアンスがうるさく、注意する機会を逃す」(男性/愛知県/一般事務・57歳)というボヤきも。なんでもかんでも「パワハラ」と捉えるのではなく、自分はどうしてそういうことを言われたのか、一旦自分のなかで噛み砕くことも大切かもしれません。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年1月14日~2016年1月20日
対象:企業の管理職 計100名