「もし内定がもらえなかったら……」。これから就職活動に挑む学生ならば、きっと誰もが一度は思うことがあるでしょう。結果に納得できない場合、リベンジを狙って浪人という道を選ぶ人もいます。世間では「就活浪人すると不利になる」との噂もある反面、一度就活を経験しているので有利という声も……?
今回は、就職浪人を決めた人たちが何を思うのかを探るべく、4名の学生に集まっていただき、「就活浪人生座談会」を開きました。
今回集まっていただいたのは、
Aさん:明治大学4年(男性22才)
Bさん:慶應義塾大学3年(男性22才)(※留学したため留年し、3年生2回目)
Cさん:早稲田大学既卒(男性23才)
Dさん:東京経済大学4年(女性22才)
ではここから、座談会の様子を紹介していきましょう。
――去年の就職活動の様子を簡単におしえてください。
A:去年は説明会70社、ESは90社程度出し、業界はブライダル、地方銀行、広告関連を中心に受けていました。他人には負けたくないという思いが強く、個人で黙々とやっていましたね。最初は友達と一緒に合同説明会などに行っていたのですが、足の引っ張り合いになるのが嫌で、次第に個人で就活をするようになりました。
そのうち、ある保険関係の会社から内定をいただけたのですが、面接から内定まで1日で全て終わるようなスケジュールの選考で、内定後に企業についてよく調べてみたら、業務内容も想像していた内容と異なる部分が多かったので、断ってしまいました。
B:僕はアメリカに留学していたので、ボストンキャリアフォーラム(世界最大の日英バイリンガル就職イベント)のみ参加しました。かなり大規模で内定がその場で出る可能性もあるようなイベントなのですが、ゼミの関係で日本での留年がほぼ決まっていたこともあり、面接とエントリーシート(ES)の練習が目的の参加でした。結果的にインターンの内定をいただけたのですが、予定通り帰国して留年となったので、改めて就活をすることにしました。
C:僕は既卒で、2年前に大学院試験を受けました。それが上手くいかなかったため、去年は公務員にチャレンジしましたが、こちらも思うような結果が出ませんでした。今年は就活をしようか悩んでいます。
D:去年は一般職を中心に、業種にはあまりこだわらなかったのですが、あまり多くの企業を受けることができず、内定を得ることができずに今に至っています。
――今年はどのように就職活動を進める予定でしょうか?
A:今年は広告やメーカーを中心に受けようかと思っています。僕はサークルでダンスをやっていて、ダンサーになるかも迷ったのですが……。去年、ブライダル関係を受けていた理由もダンスが関連していて、仕事内容がダンスとちょっと似ているのかなって。地味な練習(準備)を積み重ねて、華やかな本番につながるイメージです。
しかし、将来家庭をもったときに土日休みじゃないのは厳しいかなと……。そこで安定した地方銀行を受けようと考えました。地方銀行の方が、転勤がないので、メガバンクより人とのつながりを持つことができるのではという考えもあって。でも、就職活動が進んでいくにつれて、ストレートに自分のやりたいことって何なのかと考えてみると、企画することが好きなので、「広告業界」という結論になりました。去年はそれに気づくのが遅かったので、今年は最初から広告と、メーカーの企画にも興味があるのでその辺りを狙っていこうかと思います。
B:僕は日系メーカーで、日本人相手ではなく海外向けの仕事をしたいと思っています。新聞やネットで「解禁前に始めるべきだ」と煽られていることが気になりつつも、実際どう動くべきなのかがわからず、手探り状態です。しかし、周りをみると、騒いでいるという印象よりは、「やっている人はしっかりやっている、やっていない人は何もやってない」と二極化している気がします。個人的には、去年エントリーシートを先輩に添削してもらったし、圧迫面接のような雰囲気も経験することができたので、そこのアドバンテージはあると思っています。
C:僕は卒業しているので第二新卒採用狙いでいろいろなサイトを見ていますが、正直あまりいいところが見つからず、特に大手企業は、新卒至上主義なんだなということを実感しています…。公務員になるのも将来のステップアップを考えるとピンとこないので、今年はまだ就活をするかもわからない状態ですね。
D:私は去年、一般職という軸のみで就活をしていたことから、業界が広くなりすぎて企業研究がうまくできなかったことが反省点です。面接が苦手ということもあり、あまり積極的に動けなかったので、今年は数をこなしてみようと思っています。キャリアセンターでエントリーシートの添削や模擬面接もしていただこうかと。
――自己分析はすでにやりましたか?
A:自己分析は去年、いわゆる就活本を使ってやってみました。形式的な表のようなものに書き込みながら、手順に沿って行うものでも、なんとなく「自分はこういう人間なのかな」程度ですが、手ごたえを感じたのでやってよかったです。
D:少しだけやってみましたが、他の人と比べるとやっていなかったと思います。インターネットでできる診断のようなものをきっかけにして、志望企業を考えていたこともありましたが、それ以外はあまり……。
――今年の就職活動において、なにか秘策などはありますか?
A:サークル活動のダンス以外にも強みを持たないとダメだと、去年の就活で実感しました。「特技はダンスで……」、「サークルで……」という、似たようなアピールをする人はきっと山ほどいるので、他の学生と差別化できるような経験や趣味にチャレンジ中です!
B:ゼミの活動で麻雀をやってみるなど、社会人になって年上の人との付き合いに使えそうなものにチャレンジしています。趣味の欄に大人ウケしそうなものを書いていると、たまに食いつかれることもあるので役に立つかなと。
C:まずは自分の強みを考えてみたいと思っています。大学時代、様々なことにチャレンジし、多くの経験はできたのですが、卒業してみると全てが中途半端で、特出した能力を持っていないと気が付きました。自分ならではのポジショニングを確認してから動き出したいです。
D:バイトもサークルも入っておらず、自己PRに使えるようなネタがないまま就活をして苦労したので、今年はバイトを始めてみるなど、新しいことにチャレンジしてみたいです。
様々な悩みを抱えつつ、再チャレンジに向けて気持ちを切り替えつつある就職浪人生たち。去年の経験を活かし、今年はさらにパワーアップして就職活動に臨めそうな自信も垣間見えました。これから初めての就職活動を迎える皆さんも、ぜひ参考にしてください。