会社説明会ではほとんどの場合、学生から企業へ質問できる「質疑応答」の時間が設けられています。これは、いわゆる“逆質問”と呼ばれるもの。企業側からは「分からないことは何でも質問してください」と言われますが、会社説明会は採用選考の第一段階でもあります。良い質問をすれば採用担当者の印象に残り大変有利ですが、的を射ない質問をすれば逆に悪い第一印象になってしまうことも……。
ここでは、他の学生と良い意味で“差がつく”3パターンの質問例をご紹介します。担当者の印象に残る質問をすることで、自分の名前を覚えてもらい、面接など次の選考段階へ繋げていってください。
会社説明会で積極的に質問をするだけでも、ある程度の熱意を伝えることになります。しかし同じするなら、よりレベルの高い質問をしたいもの。企業に対して志望度合の高さをアピールする質問をしましょう。
<下調べした内容をもとに聞く>
説明会に参加する前準備として、ニュース番組や業界紙をチェックして業界や企業に関連した情報を入手しておきます。たとえば、志望企業の社長のインタビュー記事・ホームページに記載された採用担当者の言葉・最近話題になった企業や業界の動向などの情報を幅広く集め、その内容を理解したうえでさらに詳しく知りたいと思ったことを説明会で質問しましょう。
【質問例】
業界内で技術開発などのニュースがあった場合
「最近、業界内では~が注目されておりますが、御社ではこれに関してどのような事業を展開していらっしゃいますか?」
【質問例】
説明会で社長に質問する場合
「○○新聞のインタビューで~とおっしゃっていましたが、具体的に実現されているプロジェクトについてお聞かせください。」
【質問例】
説明をしてくれた採用担当者に質問する場合
「御社のホームページでは、社員には~という能力が必要というお話が掲載されていますが、実際のお仕事の場面でスキルが生かされている例をお教えください。」
<合同説明会に何度も参加する>
合同説明会は何度も参加するチャンスがあるため、企業によっては複数回接触することも可能です。志望企業が合同説明会に参加していれば、そのつど会場へ足を運ぶことをおすすめします。その際に注意することは、前回と今回の説明を踏まえた質問にすること。何度も同じことを聞くことのないように気をつけましょう。
また合同説明会ではライバル企業の情報も効率的に得られるため、ライバル企業の情報をもとに志望企業へ質問するという方法も可能です。
【質問例】
前回とは違う仕事について説明された場合
「前回は~部に関するお話で、今回は○○部に関するお話でしたが、それぞれ必要とされるスキルや能力はどのように違いますでしょうか?」
【質問例】
説明会に同業他社も参加している場合
「~という企業もありますが、御社が優位である理由はどのような点でしょうか?」
就活に限らず、ビジネスの場面では相手が答えやすい形で質問をすることも大切です。聞きづらいけれどどうしても確認しておかなくてはならない事柄は、聞き方を工夫して質問しましょう。
<具体的に聞く>
企業の“働きやすさ”などについては、抽象的な表現よりも数字などのデータのほうが答えやすい場合があります。
【質問例】
「仕事はきついですか?」→「営業目標はどのように決められていますか?」
【質問例】
「残業は多いですか?」→「残業は月にどれくらいありますか?」
【質問例】
「出産後も働きやすいですか?」→「育休をとった社員で復帰された方の割合はどのくらいですか?」
<企業の得意分野について聞く>
社員としては、自分の会社を褒められて悪い気はしません。自社のよいところは積極的に語りたいと思うのが人情です。企業の強みに関しては積極的に聞いて、志望動機に役立てましょう。なお、企業の将来的なビジョンや事業展開の方針については、一般の採用担当者よりも社長や経営陣に質問したほうがより具体的な回答が得られるかもしれません。相手のポジションを考えて質問を選ぶことも大切です。
【質問例】
「御社は~事業で業界トップですが、その理由は○○ということ以外にどのようなことがあるでしょうか?」
【質問例】
「御社は○○に力を入れていらっしゃいますが、今後この事業でさらに発展するには何が必要だとお考えですか?」
コミュニケーション能力、つまり人とのやりとりを通して発展的な人間関係を作れる能力は社会人にとって非常に大切です。質問を通して、コミュニケーション能力をアピールできる聞き方を考えましょう。
<説明の内容を掘り下げる>
説明をしてくれた採用担当者に対して質問するときは「先ほどのご説明で~とありましたが……」と前置きすれば、説明の内容をさらに突っ込んで聞くことができます。いかによく説明を理解しているかが問われますので、しっかりと内容を把握してから質問するようにしましょう。
【質問例】
説明をしてくれた担当者に質問する場合
「先ほど○○様のご説明で~とありましたが、具体的な制度がありましたら教えてください。」
【質問例】
人事ではなく営業担当者に質問する場合
「先ほど人事の○○様のご説明では~ということでしたが、営業の現場にいらっしゃる△△様としては具体的にどのようなスキルが必要だと思われますか?」
以上3つのパターンをご紹介しましたが、いかがでしょうか。説明会は、自分をアピールする貴重な機会でもあります。有意義な質問をしてチャンスを生かし、次の選考へ進みましょう。