就活中の学生にとって、自分の希望する企業から内定をもらうことが、一番の目標と言えることでしょう。「そんなのは夢のような話」と思われる方がいるかもしれませんが、最近は就職氷河期が終わり、求人倍率も回復してきています。
数年前までは、何十社受けても内定をもらえず、就職活動を諦めてフリーターで生計を立てている、あるいは就職浪人する人が少なくありませんでした。現在はインターネットの就活サイトが多く利用され、一度に多数の企業へエントリーする学生がほとんどです。そのため新卒採用を取り巻く状況こそ変わっても、就活生が採用試験を受ける企業数はあまり変わらないようです。
就活を始めたばかりの時期は、応募企業が増えるほどエントリーシートや履歴書の作成に大慌てとなるでしょう。作成した書類は郵送したりネットで送ったりと、やらなければならないことが次々と出てきます。そんな就活の忙しさの中で、気付くと手元に企業からの郵便物が届きます。中には不採用を知らせる、「お祈りメール」も含まれてくるでしょう。
これでもかというほどエントリーシートや履歴書を提出しても、「残念ながら…」と書かれた不採用の知らせは、ほとんどの学生へと届きます。初めのうちはショックを受けるものですが、あまりに続くと感覚が麻痺してしまうかもしれません。すると最後には、中身を見る前から「どうせまたダメだったのだろう。」と割りきってしまうのではないでしょうか。中には気力をなくし、封を切ることすら避けてしまう就活生がいると言います。つまり、不採用通知が自分にとって“当たり前”のことになってしまうのです。
そうなれば、ショックを受けることはなくなります。むしろ「あんな会社、受かっても行く気はなかった
あるいは「あれほどの一流企業、自分には最初から無理だったのだ
などと、開き直ってしまうのではないでしょうか。これが、就活生が陥りやすい「負け癖」です。負け癖がついてしまうと、「いったい何がダメだったのか?」、「次はどうすれば良いのか?」と自分を見つめ直し、新たな気持ちで前に進むことすらできなくなってしまいます。これこそ、負け癖の怖いところです。
負け癖がつくと、エントリーシートや履歴書を提出しながらも、最初から諦めが生まれてしまいます。内容にも熱意がこもらず、それは企業の担当者にも伝わってしまうことでしょう。熱意のない学生と会いたいとは、誰も思いません。そのため、いくら書類を出しても不採用が続き、府のスパイラルに陥ってしまいます。自信を失い、プライドが持てなくなる。「誰にも期待してもらえない」「どうせダメだ」という感情ばかりが選考するのです。
では、どうしたら「負け癖」から抜け出すことができるのでしょうか。企業は採用に当たり、選考基準を設けています。しかし就活生側から、それを知ることはできません。もしかすると、在籍大学だけで不採用とされている可能性もあるのです、それならば、エントリーシートや履歴書でいくら自分をアピールしても意味がないでしょう。自分にはどうしようもできないことがありますから、それならば諦めが肝心です。
しかしそうでなければ、悔しがることも大切です。そして自らを振り返し、悔しさを前へと進む力にしましょう。例えば就活の中で「これは良かったはずだ」「この点は認めてもらえたと思う」というような成功体験があれば、書き留めてみて下さい。小さな成功を積み重ね、それを自分自身が認めることでこそ「次も頑張ってみよう」という気持ちが生まれます。「負け癖」から脱出するためには、そうした小さな成功体験を重ねていきましょう。
たくさんの企業へエントリーする中では、本意ではないものの応募してみよう場合もあるでしょう。そのような企業でも、もし内定が出れば大いに喜んで下さい。また、書類選考通過や面接通過など、ワンステップ毎に「よし!」と嬉しさを感じることが重要です。その1つ1つが、たとえ結果がどうあれ自分の自信と力になっていきます。
現在はインターネットが普及し、在籍大学等に関係なく志望企業へ簡単にエントリーできるようになりました。しかしそれ以前は、企業が採用基準に合う大学にだけ求人を出すことができていたのです。つまり、自動的にあらかじめ採用する学生を絞り込むことができたのですが、今はその仕組が崩壊しました。人気企業には、何万人もの応募が集まってしまっているのです。そのため、すべての学生について採用可否を精査することは、非常に困難となっています。すると企業は、やむを得ず学生を足切りしなければなりません。そうでなくとも1つの企業に対し応募者数が膨大となっていますので、書類選考を通過するだけでも難度は上がっています。
こうした背景から、不採用通知はほとんどの学生が少なからず受け取っています。ですからすぐに「ダメなのだ」などとマイナス思考にならず、前へと気持ちを切り替えることが重要です。何より企業は、自社に合った人材を厳選して選考しています。もし誤って採用されていたら、入社後に苦労することとなっているかもしれません。
たとえ不採用でも、その過程から得られることは山ほどあります。成功体験を重ねつつ、失敗したと感じることは次に改善しながら、負け癖がつかないよう前向きに取り組んでいって下さい。