就職活動では「エントリーは無料」、「面接を何社受けてもタダ」というのが通例です。しかし、2015年新卒採用において株式会社ドワンゴが、同社が運営する「ニコニコ動画」にちなんで2,525円の受験料を徴収すると正式に発表。これに賛否両論の声が飛び交い、最終的にドワンゴは、厚生労働省より行政指導を受けました。
しかし今年もドワンゴは、一部内容を変更して新卒入社試験におけるエントリー時の受験料制度を実施することを発表。このような制度を採用した背景には、現在はネット上でボタンを一つ押すだけでエントリーが可能であり、「とりあえずエントリーしてみる」学生や、「記念受験」をする学生が増えていることが挙げられます。
確かに、大手企業ならば記念受験したいと思う学生もいるでしょう。そこで今回はアンケート調査で「記念受験をしたことがある人の割合」を調べてみました。
Q. 記念受験をしたことがありますか?
・ある:15.4%
・ない:84.6%
実際に記念受験をしたことがある就活生は15.4%という結果になりました。全国の就活生の数と、複数のエントリーを考えると、この記念受験をしている学生をさばく手間は、企業にとって少なからず負担になっていると言えるでしょう。
さらに今回は、記念受験をしたことがあると回答した方に、どのような企業を受けたのかを聞いてみました。
「オフィスがキレイだと有名な某IT企業。美術館に行くような気分で受験した」
「昔から好きだった大手メーカー。そこのキャラクターのファンだったので、受験してファイルなどのグッズをいただいた」
「キー局の試験。テレビ局内に入れただけでもワクワクで大満足でした」
「メガバンクを記念に受けてみたら予想以上に選考を突破して焦った。面接で『なぜ弊社を志望しているのですか?』と聞かれたとき、さすがに『記念受験です』とは言えずに冷や汗をかいた」
「小さい頃に夢だったパイロットの試験を受けた」
記念受験の動機は「憧れ」や「興味」がほとんどなので、大手企業であればあるほどこのような人が増えることは仕方ないのかもしれません。大量エントリー型就職活動によって増えた企業の負担を減らすための、今回のドワンゴのような取り組みは、今後も議論を呼びそうです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース2016調べ(インターネット調査)
調査期間:2014年12月24日(水)~2015年1月5日(月)
対象:入社1~2年目の社会人・就職活動を終えた2015年度卒予定の学生 計350名