飲食業界で働くOさん(女性/31歳)は、まさしく「好きなことを仕事にした」人。最近の学生は、報酬が出ない残業はしたくないし、プライベートな時間はしっかり確保したい傾向にある、というニュースが報じられますが、Oさんは「残業はあるし、土日も休みじゃありません」と笑います。Oさん自身は土日祝が休みではないことに迷いはなかったそうですが、「やっぱり土日は休みたい、として辞めていった人もいます」とも。
そこで今回JOBRASS編集部では、サービス業を中心とした、“土日祝が休みではない”働き方をしている社会人109名に、就活時、土日祝が休みではないことで、企業・業界選びに迷いがあったかどうかをアンケート。「あった」という人には、さらに話を聞いてみました。
【就活時、土日祝が休みではないことで、企業・業界選びに迷いはありましたか?】
・あった 16.5%
・なかった 83.5%
8割以上の人が、土日祝が休みかどうかは無関係に業界を選択しているようですが、「迷いがあった」という人も16.5%います。では、その理由は?
やはり多かったのは、「人と休みが合わない」ということ。「恋人と休みが合わず、別れそうになった」(男性/飲食業/35歳)という人も……。
・家族や恋人、友達と会えなくなりそう(女性/作業療法士/23歳)
・休みが家族や友達と合わなくてつまらなくなる(男性/不動産/45歳)
・友人との付き合いなどの都合(女性/保険/49歳)
・家族と休みが合わないので、一緒に出掛ける事ができない(男性/不動産/33歳)
・曜日固定の休みじゃないので、友人との予定が組みにくいこと(女性/清掃業/28歳)
土日祝はいざしらず、2日続けての休みというのも珍しいため、「休みの日は、家のことや用事を済ませるだけで終わってしまう。趣味にかける時間がなかなかとれない」(女性/販売業/31歳)とのこと。
・イベントにいけなくなること。時間を調節している(女性/老人保健施設/27歳)
・日曜日の趣味が出来なくなる(男性/ホテル業界/55歳)
・平日に休みを取らなければならないこと。イベントなどは日祝開催のことが多い(男性/販売業/41歳)
悩んだ結果、“普通”の会社員に転職した女性は、「子供が小さいときは、就学までは、と考えた。結果、平日休めたほうがメリットは多かった。参観日も行けるし、行事の参加が可能だった」(女性/金融/54歳)と振り返ります。
・家族との娯楽時間調整。なかなか自分の思うような仕事は少ない(女性/スーパー勤務/43歳)
ここまで土日祝が休みでないことが、自分にとってマイナスなのでは……と不安になったことがある人たちの声を紹介してきましたが、実際は、土日祝が休みでないことにこだわらず、好きな道を選択した人たちです。
天候に左右される農業に従事する男性は、「就職活動時は学生だったため土日祝は休み。それに慣れていたため休みが決まっていないことに抵抗感があったが、休みよりもどんな仕事がしたいかと考えたとき、好きな仕事が出来るなら休みが決まっていなくても構わないと思い今の職場を決断しました」(男性/農業/27歳)と話します。
また前出・Oさんは、「就職先を決めるとき、最初はどこかに妥協があるかもしれません。その“妥協”が、お給料なのか休みなのか場所なのか昇進なのか、といったことは人それぞれです。
友人や家族と休みが合わないといっても、社会人になった友人たちをみていると、会社員になったところで、学生時代の友人とそう頻繁に遊んだりしなくなるもの。同じ職場や業界で、志を一にして働く人とのほうがだんだん話も合うようになります。どこかで働いている人がいるから、自分も休めることができるんです。働き方は、慣れるもの。まずはやりたいこと優先でいいと思います」とエールを送ってくれました。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年10月13日~10月23日
対象:土日祝が休みではない仕事をしている社会人 計109名