今の時代、SNS上で、気になる企業で働いている社員を探し当てたり、何かしらでつながりを持てたりすることは珍しいことではありません。では、就活生が、そういった社員に対し、「今度会ってください」などとアプローチするのは、ありなのでしょうか? それとも、SNS上でのアプローチは失礼に相当する……?
今回JOBRASS編集部では、採用担当者100名に対し、SNSでのアプローチは「あり」かどうかをアンケート。さらに「あり」派と「なし」派、それぞれの意見も聞いてみました。
【気になる企業で働いている会社員に話を聞きたい場合、SNSを使ったアプローチは「あり」だと思いますか?】
・ありだと思う 39.0%
・ありだとは思わない 61.0%
アンケートの結果、SNSを使った社員へのアプローチを「あり」と考える担当者は約4割。6割の担当者は「なし」と回答しました。それでは、それぞれの意見をみてみましょう。
「なし」という担当者の意見は、概ね「あくまでもSNSはプライベートな空間であるため、まずはきちんとした紹介を受けたのち、フェイス・トゥ・フェイスで話をするのが礼儀」というものでした。
■礼儀として
・きちんと自分の言葉で話をすること。それを相手も見ている。当然のことである(男性/総務・人事・事務/47歳)
・ネットの世界より先ずは相手の目を見て話すべき(男性/コンピュータ関連以外の技術職/43歳)
・フェイストウフェイスで探すべき(男性/総務・人事・事務/46歳)
・直接お願いして欲しい(男性/営業・販売/41歳)
・直接伺う前に電話で話すべき(女性/その他/25歳)
■SNSはプライベート空間だから
・あくまでもプライベートな空間だから(男性/公務員/30歳)
・そのようなアプローチをされても、気持ちが悪い(男性/会社経営・役員/46歳)
・SNSは正式なアプローチではない(男性/金融関係/47歳)
・友達ではないから(男性/その他/40歳)
・礼儀がない(男性/その他/42歳)
■簡単に仕事を済ませる印象を受けるから
また、“なんでもかんでもスマートフォン”のような印象を受け、あまり好印象ではないという声も。
・スマホに頼りがち(女性/その他/41歳)
・やはり、なんでもSNSで簡単にしたら、その人の業務能力や人格まで疑ってしまう(男性/研究・開発/45歳)
・大事なことは、簡単に済ませてはいけない(女性/総務・人事・事務/46歳)
■相手がどのような人かわからないから
相手の役職やどのような人かが明確にはわかりづらいSNS空間では、誰かわからない人からのアプローチを好まない人もいます。もしかすると「先日こんな学生がいた……」などとして、人事にあまり良いように伝えられない可能性がある、という指摘も。
・実際にあったほうが情報の確かさや信用が上がる(男性/その他/40歳)
・ケースバイケースなので、全部だめではないが、どの役職の人と話をしているのかわからないため、気を付けた方が良い(女性/その他/44歳)
・相手がどのような人がわからない状態で連絡を取るのは危険であると思う。(女性/総務・人事・事務/32歳)
「あり」という担当者は、「今の時代、ひとつの手段として有効なのでは」という見方を示します。
・そういう時代だから(男性/会社経営・役員/36歳)
・なにが禁じ手……というようなことは気にすることではない(男性/その他/46歳)
・一つの手段として有効だと思うから(男性/金融関係/40歳)
・簡単にアプローチが出来るから(男性/コンピュータ関連技術職/32歳)
・企業訪問などは人事部を通してもらいたいと思うが、いまのご時世、使えるものは何でも使えばよい。ただし、どんなアプローチをしても最終的に全ての報告は人事部に集約されているので、そのつもりで。(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)
その他、「手軽に聞ける、また答える方も時間がある時に答えられる」(女性/その他/33歳)と双方にメリットがあると考える人や、「正直な意見が出やすい」(男性/営業・販売/40歳)「対面ではいいづらい事も言ってくれそうだから」(男性/その他/42歳)など、SNS上のほうがホンネが出るのでは、という声も寄せられました。
よほど誰かの紹介があったとか、その人をもともと知っているなどという場合で、そしてSNS上での言動も人事部に報告がいっていると認識したうえでなら、SNSでのアプローチもありなのかも。とはいっても、まだ過半数の人がファーストコンタクトにSNSを使うのはなし、と考えていることは覚えておいて良さそうです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年8月16日~2017年8月23日
対象:企業の採用担当者 計100名