社会人7年目のMさん(女性/マスコミ勤務)は、最近、母校の学生からOG訪問を受けたのだそう。先輩として、「ああ、私もそういうところで悩んだなあ」などと理解できる部分もたくさんあったそうなのですが、「その後頻繁に連絡がきて、親に対する不満とか、とにかくどうしても私がいる業界に入りたいのだと……。まあ就活の時の、先が見えない辛い気持ちやもどかしさみたいなものもわかるので、話は聞くんですが」と困惑モード。
もともとサークルの先輩・後輩など、知り合いだった仲での相談事や愚痴ならいざ知らず、後輩というだけで「その会社で働きたいんですけど、どうしたらいいですか?」といわれても……というのがMさんのホンネのようです。
そこで今回JOBRASS編集部では、採用担当者102名に、就活生から、かなり個人的な内容の連絡をもらったことがあるかどうかアンケート。「ある」という担当者には、どんな内容で、そのときどう対応したかも合わせて聞いてみました。
【就活生から、就活とは関係のない個人的な内容の連絡をもらったことはありますか?】
・ある 2.0%
・ない 98.0%
「ある」という人はわずか2%という結果でした。ほとんどの担当者は、「就活生と個人的な連絡を取り合うことはない」という回答です。では、「ある」と答えた担当者の話を聞いてみましょう。まずは、IT企業に勤める40代の男性採用担当者。
「まだ面接前で、採用とも不採用とも決まっていない時点でのことです。応募があったので連絡をしたら、『今度食事に行きませんか』と。OB訪問と間違えているのかな? と……。面接で何を聞かれるのかとか、心証をよくしようとしたのでしょうか。行きがかり上次のステップの連絡だけしましたが、いずれにせよ、もうその時点で“ナシ”ですよね」
また製造業に勤める30代の女性は、
「私は当時リクルーターで、採用の決定権をもっているわけではありません。会って話をしたことは人事に報告し、その旨は学生にも伝えますが、学生には『リクルーターに会ったから次のステップにすすめる』と勘違いしている人もいるようです。リクルーターは、あくまでも選考にすすませるかどうかを見るもの。必ずしも会った学生を内部で推薦するとは限りません。
なのですが、一度会った学生から、『その後どうなりましたか』など、何度も連絡がくるようになったことがあります。自分に決定権はないことを説明すると、『何が悪かったのでしょうか』などと食い下がられ、さらに『私はいつもこうなんです』とか、『最近眠れない』など、だんだん人生相談風に発展。
確かに就活で“落とされる”のって、理不尽であることはわかります。改善できるものはしたいとも思うでしょう。でもこればっかりは、人事が考える適性のようなものとの相性で……」
と振り返りました。
悩みを聞いてもらいたいなら、まずは友人や自分のことを知っている身近な先輩、社会人がいいのかも。また就活をすすめるうえでの相談であれば、就活支援サービスに登録するのも一つの手。たくさんの学生と企業をみてきたプロにモヤモヤを話すと、自分が次に何をすればいいか、きっと見えてくることでしょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年6月9日~2017年6月15日
対象:企業の採用担当者 計102名