今年、ニュースサイトAERA.dotで、“ブラックかどうか確かめるために、深夜その企業に電話をかけてみる”という学生がいることが紹介されました。電話に誰かが出たら、その時間まで残業しているということなので、“ブラック疑惑”が高まるというものです。
もちろんそれだけで“ブラック”かどうかを判定できるものでは到底ありませんが、ある採用担当者いわく、「昨今ブラック企業についての報道が目立つためかどうかはわかりませんが、残業や給与、休めるかなどについて、敏感な学生は昔より増えている印象はあります。
そこで今回JOBRASS編集部では、採用担当者102名に、学生が聞いてくる質問の中で「無意味だ」と思う質問があったかどうかを聞いてみました。
【働き方や福利厚生についての質問の中で「無意味だ」と思う質問はありますか?】
・ある 11.8%
・ない 88.2%
調査の結果、学生が働き方や福利厚生などについてシビアな視線で質問してくるもののうち、“意味ないなぁ”“それを聞いてどうするの?”といった感想をもったことがある、という採用担当者は1割強。割合としては多くありませんが、なくはない……。それはどんな質問で、何故そのように思ったのでしょうか? 担当者の声をみてみましょう。
まず多かったのは、「(サービス)残業の有無」あるいは「休日出勤」について。
「残業や休日出勤は基本ないが、状況により必要な場合もある。その状況を事細かく説明しても理解は不可能(あるときも、ないときもある)」(男性/総務・人事・事務/40歳)
「サービス残業の有無。大なり小なりあるに決まっているので」(男性/コンピュータ関連以外の技術職/41歳)
など、「状況によるため、有無だけを聞かれても困る」という声が続出。また、休暇取得状況や、ワークライフバランスについての質問にも困惑する担当者は多いようで、
「休日の取得状況を聞いても、休日出勤をしている場合があるので」(男性/総務・人事・事務/38歳)
「ライフワークバランスはどうか。人によるので」(女性/総務・人事・事務/28歳)
「プライベートの時間を大事にできるかどうかという質問。プライベートを大事、という概念が抽象的だし、働く事を理解していないと思われる質問がしばしばある」(男性/会社経営・役員/42歳)
と、こちらも状況による、ワークライフバランスは個人のスタンスによるため、聞かれても答えにくいという声が見られました。
また、離職率についての質問もままあるようですが、「担当者にそれを聞いてどうするのか。基本的に面接に来るということは、採用してほしいはずなわけで、いきなり離職の話を持ち出して、採用担当者がいい気持ちをするわけがありません。知りたいならOB、OG訪問などで調べてほしい」(男性/コンピュータ関連技術職/47歳)というように、“採用担当者”という立場の人にきく質問としてふさわしくない、と考える担当者はいるようです。
その他、「ブラック企業ですか?という質問。はい、という企業があるわけない」(男性/その他/44歳)など、単刀直入過ぎる質問に困ったという声も。入社してからブラックなことがわかり、苦しい思いをするよりは、入社前にその会社の勤務実態をつかみたいのは至極もっともなスタンスですが、まずは自分がどのような働き方をしたいか突き詰めて考えたうえで、面接に臨む前に情報収集をするようにしたいものです。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2017年6月9日~2017年6月15日
対象:企業の採用担当者 計102名