最近では、名刺をもつ学生も増えてきています。“就職活動には必須アイテム”として、個性的な名刺作りをアピールするサービスも多数登場していますが、昔は必要なかったものがどうして最近注目されるのでしょうか? 本当に必要なのでしょうか?
JOBRASS編集部では、就職して1~2年たった社会人になりたての先輩と、企業の採用担当者計111名に、学生に名刺が必要かどうかを尋ねてみました。
【学生に名刺は必要ない?】
・必要ないと思う 85.0%
・必要だと思う 15.0%
その結果、「必要だと思う」と答えた人は15%。「必要ない」という意見の人が85%を占めました。
学生の名刺とは、自分の大学・所属ゼミ・サークル・メールアドレスや住所といった連絡先・SNSのアカウント・自分の信条(キャッチコピー?)を書いたもの。顔写真をいれる人もいるようです。学生のなかにはキャリア支援室で作るようにすすめられたという人もいるようですが、採用担当者に渡すことを目的とするなら、学生の名刺は不要。理由は大きく以下3点です。
・何百人もの学生に会う採用担当者にとって、名刺は邪魔
・名刺のような「個人情報」満載のものは手元に残しておくと、保管や処分が面倒。基本的に貰いたくない
・名刺の内容は、履歴書やエントリーシートに書くことができる
では、いつから学生が名刺を作るようになったのでしょうか? コンサルタント会社に勤務し、インターンシップで学生と触れ合うことも多いという30代の男性は、
「インターンシップやセミナー、交流会などが当たり前になってからのような気がします。昔はインターンシップをおこなう企業はそれほど多くありませんでしたが、今は普通にありますよね。また最近の学生は人と“つながる”ことに熱心です。なにもわざわざ“紙”にせず、メールアドレスやLINE、facebookアカウントの交換でいいような気がするんですが、デザインにこだわった名刺を作ることで“自分らしさ”を表現しているのでしょう。
でも、名刺でできる程度の自己アピールなんて、採用担当者にとっては“上っ面”でしかありません。それよりも大事なことがあるだろ、というツッコミが生まれかねませんよね」
と分析しています。
インターンシップや交流会などで、学生同士で自己紹介する場合や、OB・OG訪問など、かなり“個別”に先輩と会う場合、自分の名刺を持っておいても良いことはあるでしょう(作っておいたほうがいいということではありません)。でも、採用担当者にムリヤリ渡そうとするのは避けたほうが良さそうです。
とはいえ、担当者の名刺をもらっておくと、後からの連絡や、お礼も伝えやすくなります。帰り際などに「もしよろしければ、お名刺を頂けますでしょうか?」などとお願いすると、くれる人もいます。もし名刺をくれるようなら、「頂戴いたします」と言って両手で受け取り、名刺入れにしまうとスマートでしょう。ただし、もし面接前などに名刺を渡された場合、目の前にテーブルがあったら、出しておくのがマナー。しまうのは席を立つときです。
結論としては、「作るのは自由だが、採用担当者に渡すのは基本的に鬱陶しがられる」ということ。名刺を作る前に、エントリーシートはきちんと書けたか?面接対策は万全か?といったことを振り返りましょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2015年9月25日(金)~2015年9月28日(月)
対象:就職して1~2年たった社会人なりたての人+社会人企業の採用担当者 計111名