就活ガイダンスやインターンシップ、各ナビサイトのプレオープンがはじまり、2019卒のみなさんも就活を意識する機会が増えているのではないでしょうか。今回はこれから就活をスタートするみなさんに、意外とわかりにくい就職活動について、知っておいてほしい部分に集約してお伝えします。
日本の新卒の就職活動は、一括採用と呼ばれ、学校を卒業する前に、一斉に就職活動を開始し、就職先を決定するのが特徴となっています。
2019卒の就活スケジュールは日本を代表する企業から構成され、就職活動のスケジュールに影響を与える、 日本経済団体連合会(略称:経団連)の発表によると、2018卒の先輩とと同様、3年生の3月にエントリー解禁(企業が募集要項を開示し、会社説明会などが開催される)、6月に選考(面接)が解禁することが発表されています。(図1)
また、内定率はここ数年8割を超えており、学生に有利な「売り手市場」と化しています。
みなさんが就職活動をする際は、スケジュールや市場感が近い2016卒・2017卒の先輩に話を聞いておくとよいでしょう。
アイデムの人と仕事研究所の調査によると、2017卒の先輩は5月1日:23.2%→6月1日:47.9%と5月~6月で一次内定ピークが来ます。
その後、8月1日に8割を超えはじめ、最終的には入社直前の3月1日で89.1%(2016卒は82.6%)と8割強の学生が内定を決めています。この数値からも就職活動には一定のルールがあるものの、遵守されきれていないことがわかると思います。早めに就活の準備をしましょうという言葉は、企業側が早めにはじめてしまっている可能性が大いにあるためです。
就職活動では簡単に言うと次の3つの作業が必要です。
STEP1 考える
…どんな企業で、どんな環境で働きたいかを考える
→これは「自己分析」「業界研究・職種研究」にあてはまります。
STEP2 探す
…STEP1にあった企業・業界を探す
→これは「就活サイトへの登録・活用」「業界研究・職種研究」にあてはまります。
STEP3 受ける
…STEP2にあった企業が必要とする選考を受ける
そして企業を受けるために、企業の選考で実施される「エントリーシート・履歴書」や「面接」「グループディスカッション」「筆記試験・SPI」の対策が必要というわけです。
前項でお伝えしたように、企業の選考対策にはかなりの分野があります。人と仕事研究所の調査によると、2018卒の先輩が行ってきた準備・対策上位5つは
1.就活ナビサイトへの登録(88.3%)
2.自己分析(65.0%)
3.企業セミナーの参加(61.8%)
4.インターンシップ(60.2%)
5.企業・業界研究(57.5%)
となりました。
さらに、2018卒の4月1日時点で内定がある先輩とない先輩で対策に差が出たものは
1.インターンシップ(約23%の差)
2.OB・OG訪問(約17%の差)
3.SPI等の適性検査対策(約7%の差)
となり、現在の就職活動では「インターンシップ」がかなり重要になっていることがわかります。
就活サイトの役割を一言で言うと【就活情報の取得ツール】。多くのサイトでは以下のように「企業」にまつわる情報と、就活で必要な「スキル」にまつわる情報を知ることが出来ます。
▼企業にまつわる情報
・企業情報
・採用情報(採用情報解禁日から)
・インターンシップ情報
・特集(女性積極採用/理系など)
・Web説明会
・選考スケジュール
▼就活スキルにまつわる情報
・筆記試験対策
・自己分析ツール
・面接対策
・ES対策
就活に関する多くの情報を網羅できるツールがこの就活サイトといえます。
引用元:【登録したままではもったいない!】就職サイトの活用方法とは?
自ら企業情報を検索し、エントリーをするリクナビやマイナビのような「就活ナビサイト」のほかにも、このマガジンが掲載されているJOBRASSのように、自分のプロフィールを登録して企業からオファーをもらえる「逆求人サイト」があります。自分のタイプに合わせて、使うサイトを選抜していきましょう。
また、就職活動の方法としては、「紹介サービス」も近年利用率が高まっています。
新卒紹介では、まず紹介会社に登録すると、専任の専任の就活エージェントがつきます。
就活エージェントは、企業を紹介したり、選考への応募手続きを行ったり、企業とのスケジュール調整を行ってくれたりします。自分一人で進めるのではなく、エージェントがおぜん立てをしてくれてそれに応じて進めていくことになります。
引用元:新卒紹介とは|サービスを利用するメリット・デメリット
エージェントからは、紹介された企業の選考のフィードバックや、選考アドバイスをもらえるなど、一対一だからこそ可能な就活支援を受けることができます。
インターンシップとは、学生が企業で一定期間職場体験をする制度のことをいいます。
現在は、参加する学生・実施する企業ともに増えています。インターンシップを実施する時期は夏休み中が多く、食品メーカーやマスコミ業界など、人気業界ではインターンシップに参加するために面接やESなど選考を課す場合があります。このため、本番の前にインターンシップに対して選考対策をする必要があります。
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【前準備】
・自己分析をする
→ 自分がどんな仕事をしたいのか、仕事を決める際に基になる価値観はどういったものか? 人生で考えた時に仕事に求めるものは何か? 自分の特長は? どんな仕事に向いているのか? ライフプランは?といった質問の答えは、各自それぞれ違い、自分で考えるしかないものです。就職してから、こんなはずはなかったならないためにも、まず考えなくてはいけないことです。ただ、これらは頭で考えるだけでなく、自分の経験してきたことを基にした、具体的、かつ現実に即したものになります。
アルバイトをしたり、サークル活動に励んだりした過程で、経験したこと、感じたこと、気づいたことが大いに活かせる分野です。また、この早い段階で、就業体験ができるインターンシップに参加することも、助けになります。実際に働き、多くの人と出会うことにより、それまで自分が気づかなかった面に気づくことができます。
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・業界研究をする
→ 就職活動を始めるまで、こんな業界があるとは思いもしなかった、という業界がたくさんあります。優良業界も多く、知らなかったがために損をしてしまう可能性もあるでしょう。採用活動が実際に始まってからでは後れを取ることになりかねません。大学の就職ガイダンスは、早い段階で行われることもあります。採用活動が始まる前に、アンテナを大きく張り延ばしておくと、自分に向いている新たな業界を見つけることができるかもしれません。
・企業研究・職種研究をする
→ 有名企業だけが優良企業ではありません。業界研究をして気になった業界の企業に関しては、ある程度知識を持っておいた方が、採用活動が始まった時に、後れを取らないで済みます。
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【採用情報が解禁になったら】
・プレエントリー
→ 企業情報をもらうためには、プレエントリーをする必要があります。企業によっては、プレエントリーをしておかないとその後の段階に進めないこともあります。プレエントリーが締め切られた後に後悔しないために、少しでも興味のある企業には、プレエントリーしておくことをお勧めします。
・エントリーシートの提出
→ 自己分析をしておくと、エントリーシートの提出時に慌てなくてすみます。エントリーシートの提出は、企業への最初の意思表示です。これによって、その後の段階が始まりますから、なるべく早い時期に出すようにしましょう。
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・会社説明会、OB・OG訪問
→ 合同企業説明会には、始まったらすぐに行けるようスケジュール調整をしましょう。各企業の会社説明会は、その後の選考へのステップになりますから、外せません。
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・選考
→ 筆記試験や面接、グループディスカッションなど、企業によって違ってきます。就活サイトなどである程度の傾向を知ることができますから、準備をして臨みましょう。
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また、いまのうちから筆記試験・エントリーシートに苦手意識を持っている人は「文章力」や「数学の知識」などを振り返っておきましょう。
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参照:就職活動の開始時期はいつから? 時期別にやるべき7つのコト
いかがでしたか。就職活動と一言で言えども、多くの準備が必要となってきます。ただひとりでは就職活動を行っていると、体力的にも精神的にもまいってしまいます。大学のキャリアセンターや、就活ナビサイト、紹介会社のエージェントなど…たくさんの人の協力をあおいで、就職活動を進めていきましょう。