就活で企業や担当者にメールを送る際、最も重要なのはメールの件名になります。その理由としては、手紙やメールをもらった時、最初に確認するのは手紙なら表題、メールなら件名になるからです。
差出人の名前ももちろん重要ですが、まず中身を確認しなければ内容がわかりませんので、その判断基準になるのが件名というわけです。差出人の名前はそのあとですね。
つまり、メールはまず開いてもらわなければ始まりませんので、今回は、企業や担当者に送るメールの件名について触れていきたいと思います。件名のマナーや、どうすれば開いてもらえるような件名を作れるのかなど、仕事に就いた際にも役立つ内容ですので、参考にしてみてください。
早速、メールを送る際に「この学生はできる」と思せる件名のコツなどをご紹介していきます。
まず大切なことは、メールの件名には文字数の制限がありますので、件名で内容を伝えるには、できるだけ簡潔に伝える必要があります。例えば、メールで説明会などの参加をしたい旨を送る際の件名は、「●●会社説明会参加の件」などのシンプルな件名が良いと思います。
ただ、面接の日程調整を行う場合、企業側から候補を三つほど出せと言われることがあると思いますが、その際は担当者が送ってきた件名をそのままにして、「Re:」などを付けてそのまま返信するのが良いでしょう。
最近はメールを使うケースが減っているためあまり馴染みがないと思いますが、相手が送ってきた内容と件名に関して返信をする時は、件名に「Re:」とつけるのと、相手が送信してきた内容を消さないというのがマナーになりますので、覚えておきましょう。
「ありがとうございました!」「お疲れ様です!」はNG
まず大切なのは、タイトルで要件を簡潔に伝えることです。メールの送り主はどういう関係の人間で、メールで何を伝えたいのかがひと目でピンとくる件名でなければ、すぐに開いてもらえません。
例えば、インターンシップでお世話になった企業の担当者にお礼のメールを送るとします。このときの件名が「先日はありがとうございました!」だとしたら……。「誰?何?」と思われてしまうでしょう。
色々な人から大量にメールを受ける仕事の人は、タイトルだけで優先順位を振り分けます。これが「会社訪問のお礼 (差出人の大学、名前)」だったとしたら、ぱっと見ただけで内容を想像することができますよね。
心遣いとして、返信のたびに件名を変えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。これはあまりよくありません。ビジネスマンの場合、それぞれのメールのやりとりをタイトルで振り分けている方が多いからです。機能が発達しているメールサーバーの場合、自動で受信ボックス内のメールをタイトルごとに振り分けてくれるものもあります。
そうなると、タイトルを変えることによって無駄に分岐が増えてしまい、メールの管理が難しくなるのです。やりとりの中で特別内容が転換しない限り、タイトルを書き換えることはやめましょう。
これはちょっとしたコツになりますが、自分からメールを送る際、もし相手の名前が分かっているのであれば、相手の名前を先頭に持ってきてあげると開封率があがります。
たとえば、「【●●様】説明会の日程に関するご質問」などですね。件名に自分の名前が入っていれば、明らかに自分に関係のなる内容になりますので、大量に受信したメールの中からでも、自分宛ての重要メールであることが理解しやすいでしょう。
人によってはそんなにメールのやり取りをしない場合もあるかと思いますが、採用担当者ともなればそうもいかないケースが多いと思いますので、こういったところで工夫を凝らすのはポイントが大きいものになります。
件名は簡潔かつシンプルが良いという話をしましたが、何の内容で送ってきたのか、その目的が明確になっていることが望ましいと言えます。例えば、面接日程の都合が悪くなり、変更したい場合は「【●●様】面接日程変更のお願い」とすれば、面接の日程を変更したい旨がメールを開かなくてもわかりますね。
もちろん、面接の日程を変更するのはあまり印象が良くありませんので、できるだけ避けた方が良いとは思いますが、どうしても変更したい場合は仕方ないでしょう。
他にも、何かしらの用事があってメールを送る際にも、件名では目的を明確にして送信するのがおすすめです。わかりやすいですし、何より親切かと思います。
メールでアポイントを取る場合は、まず誰にメールを送るのかが問題になります。もし先輩の個人アドレスを入手できているのであれば直接送信すれば完了ですが、もしわからない場合は、企業の公式ホームページやお問い合わせフォームかOB・OG訪問をしたい旨を送るのが良いでしょう。
その時送る文面は下記のような内容になります。
件名:【OB訪問のお願い】○○大学の○○○○です
株式会社○○○○
○○部 △△課
○○ ○○様
これもちょっとした件名のコツになりますが、自分が送る際の差出人名の表記を変えるという方法があります。どういうことかと言うと、基本的には差出人は「加藤」「佐藤」「●●」など、苗字だけの表記が多いかと思いますが、もし自分の名前が「田中」や「佐藤」といった比較的多い苗字の場合、どこの田中やどこの佐藤なのかがわかりにくくなってしまいます。
そこで、対策として取れる方法が二つあります。
特に2つめの「大学名を加える」というのは意外と盲点の表記方法で、例としては「●●●●(名前)|●●大学●●学科」と、いうような感じになります。名前の後に大学名を入れることで、どこどこ大学の●●というのが一発でわかりますので、採用担当者の方も誰だかわからないということはなくなるでしょう。
次に、件名以外にも気をつけておきたいメールマナーについてご紹介しておこうと思います、正直メールの件名に関してはそれほど重要ではありませんが、メールマナー自体に関しては絶対に知っておいた方が良いので、これから話す内容については、覚えておいて損はないはずです。
メールを送る際のメールアドレスですが、就活用に携帯のメールアドレスを使用するのは、やめた方が無難です。携帯アドレスの場合は友達ともやり取りするシーンがあるでしょうから、誤送信の危険性もあるのがまず一点。
また、就活では何かしらのファイルが添付されてくるケースもありますので、スマートフォンでしかファイルを確認することができないのは少々危険です。少なくとも確実に正しい表示ができるように、添付ファイルが開けるパソコンから確認できるようにするのがおすすめです。
ブラウザやアプリなどでも利用できるWebメールは便利ですが、Gmailなどのフリーメールを使う際にはいくつかの注意点がありますので、ご紹介しておきます。
プライベートなメールに紛れて、重要なメールを見逃してしまう可能性があります。特にYahoo!メールはどこから情報を入手しているのか、毎日大量にメールが来ますので、就活専用のメールアドレスを別途準備した方が無難です。
フリーメールは、メールアドレスを任意に決めることが出来ますが、適当な文字列よりも自分の名前などをアドレスに設定することで、企業側があなたからのメールだと判別しやすくなります。逆に、設定している文字列によっては悪い印象を与えかねません。
フリーメールを利用すると、意図せず企業からのメールを迷惑メールとして振り分けてしまう可能性があります。適宜確認するなど、注意が必要です。
フリーメールは、企業によっては特定のドメインから送られたメール(Yahoo!、Google、manなど)を拒否しているケースがあります。エラーメールが返ってきたり返信がなかったりする場合は、確認を取りましょう。会社説明会など最初の段階で聞いていくこともおすすめです。
参考:メールアドレスの注意点
PC用メールアドレスの代表格として、Gmailなどのフリーアドレスは何かと万能ではありますが、上記のような注意点も多いので、おすすめなのは 大学から発行されているメールアドレスになります。
今の技術でしたら、スマホの標準メールアプリで設定ができますので、スマートフォンからも閲覧や送受信が可能になります。Gmailにも特定のアドレスから送受信を可能にすることができますので便利です。
参考:Gmailで差出人を別のメールアドレスに変更して送信する
少し前まではフリーメールアドレスをNGとする考えもありましたが、現在はむしろ社会人でも利用している人が多いので問題ありません。
まず、タイトル以外で気をつけたいのは相手の名前の書き方です。一行目の宛名は「株式会社●● 採用担当○○様」といったように、社名と名前を書くところから始めましょう。また、本題に入る前に一言、例えば「先日はお招きいただきありがとうございました。」など、以前会ったときのお礼などを添えると尚よいです。
「株式会社●● 採用担当○○様」を書いたら、次に挨拶文を加えましょう。メールをLINEやショートメッセージと同じものと考えてしまい、自分が誰かを名乗ることなく要件だけのメッセージを送る人がいます。ビジネスのメールでは、宛名から書きはじめて名乗ってから用件を伝えるのが基本のマナーです。
つまり、誰に(宛名)・誰が(名乗り)・何を伝える(要件)という順番ですね。
株式会社○○
○○部 ○○様
お世話になっております。
先日、面接をしていただきました、
○○大学○○学部 ○○です。
差出人の設定などで自分の名前を表記していますが、メールを送っている以上、再度名乗るのがビジネスマナーになります。上記のような挨拶文がそれにあたりますね。この時、何の件でお世話になった者なのかを簡単に説明しておくのが良いでしょう。
ちなみに、「お世話になっております」や「お疲れ様です」という表記を、就活ではそぐわないとしている記事もありますが、使用してもしなくても構いません。面接などを受けた以上、世話になったと捉えることもできますので、つけるべきかつけないべきか迷った場合は、表記してしまっても構わないでしょう。
選考日程の調整メール
○○株式会社
○○部 ●●様
○○大学○○学部 ○○ ○○です。
この度は、面接のご案内をいただきありがとうございます。
面接日程の希望についてご連絡いたします。
下記の日程で、貴社にお伺いすることが可能です。
・1月14日(月)10:00~16:00
・1月16日(水)15:00以降
面接日程のご連絡をお待ちしております。
↓何かメッセージを追加したい場合
前回の説明会では、社員の方の声を実際にお聞きすることができて希望する企画職への興味が更に高まりました。面接への参加が楽しみです。
以上、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――
- ●大学○○学部○○学科3年
○○ ○○
Tel:090-0000-0000
E-mail:xxxx@gmail.com
――――――――――――――――――――
引用元:就活でよく使うメールの例文
OB訪問の日程調整メール
○○株式会社
△△部 □□様
○○大学○○学部の●●●●です。
お忙しい所、早速のご連絡ありがとうございました。
それでは、下記の日程で[お伺いします/お伺いしてもよろしいでしょうか]。
日時:X月X日(X)XX:00
お待ち合わせ場所:○○駅○○口
私の連絡先は下記の通りになります。
ご予定の変更等ございましたら、ご連絡ください。
氏 名 XXX-XXXX-XXXX
この度は、本当にお忙しい所ありがとうございます。
○○様にお話をお伺いできることを楽しみにしています。
当日は、どうぞよろしくお願いいたします。
――――――――――――――――――――
- ●大学○○学部○○学科3年
○○ ○○
Tel:090-0000-0000
E-mail:xxxx@gmail.com
――――――――――――――――――――
引用元:就活でよく使うメールの例文
もし初めてメールを送る場合、担当者ではなく特定の企業宛てであればHPに記載があると思いますが、担当者本人にメールを送る場合で、まだやりとりが発生していないケースでは、どこでそのアドレスを知ったのか明記しましょう。
先方にしてみればいきなり知らないアドレスから個人に送られて来ていることになりますので、状況的にはかなり不審です。不法でないこと、誰に聞いて教えてもらったのかはしっかりと包み隠さず伝えるのがポイントです。
お礼のメールは必ずしなくてはいけないものではありませんが、もしお礼メールを送るのであればその日のうちに送ることを意識してみることをおすすめします。
「鉄は熱いうちに撃て」とはよく言ったもので、話を聞いて少しでも興味があれば即行動しておくと、記憶に残るようになり、行動しやすくなるという傾向があります。
一度財布の紐を緩めた相手は、その後にもっと高額な買い物をしたくなると言う原則に似ています。これを「フット・イン・ザ・ドア(ドア・イン・ザ・フェイス)」と言いますので、覚えておくと良いかもしれません。
引用元:お礼メールはその日のうちに返す
メールのやり取りは長く続けるとストレスになりますので、1往復半で終わらせるような内容で送るのがベストです。例えば日程の提示したものの、その日程では決まらなかった場合はやり取りが多くなってしまいますので、そういったことを避けるためには、指定日時の選択肢を増やして見ても良いかと思います。
もっとも多いのは「敬語の使い方がおかしい」、というものだそうで、丁寧にしようとしすぎるあまり尊敬語と謙譲語が入り混じり、意味をなさない言葉になるケースもあります。
- ・拝見させていただきました、等の二重敬語。会社名に様、担当者名に御中(女性/その他/31歳)
- ・敬語が変(女性/公務員/29歳)
- ・敬語が、使えない(女性/その他/28歳)
- ・敬語がめちゃくちゃ(男性/その他/36歳)
- ・敬語が変で理解していない(男性/その他/45歳)
- 自分に敬語を使っていた(女性/その他/38歳)
引用元:敬語の使い方がおかしい
顔文字やアスキーアート「!」を多用するのもNGです。学生に悪気はないのかもしれませんが、受け取った企業側の人間からすると、立場をわきまえていないとみられる可能性がかなり高いでしょう。他にも、「宛先の名前が間違っている」など、基本的なミスもチェックの対象です。
参考:ドン引き! 学生の仰天メール「自分に敬語」「顔文字」「話し言葉」
・「よろしくお願いいたします」のあとに顔文字を追加
採用担当者いわく「顔文字は不要。チャラい感じしかしない」。かえって悪印象をまねくようです。
- ・「よろしくお願いします^_^」(男性/総務・人事・事務/40歳)
- ・「よろしくお願いします」の後の顔文字(女性/その他/41歳)
「!」の多用、重ね使い
「!」を使うことでカジュアルな調子になってしまい、「ビジネスの場にそぐわない」と判断。もちろん“タメ語”も厳禁です。やる気、元気な印象どころか「やる気がない感じがする」「失礼」など、悪印象といった声が多数。
- ・「OKです!」(女性/総務・人事・事務/44歳)
- ・意欲を示すつもりだったのかもしれないが、「!」が5つも並んでいて、きつい印象でした(女性/その他/45歳)
・やたら「?」が多い
案外多かったのが、「?」の多用。結局何を聞きたいのかわからない文章や、使い方によっては自分で調べたり考えたりすることをしない“エラそう”な調子にも見えるようです。
また文例として「面接の日時を変更出来ませんか?」(男性/営業・販売/45歳)というものも。一見何が悪いかわからない、という人もいるかもしれませんが、このままだと「お願いする」「相手に負担(面倒)をかけることへの申し訳なさ」といった姿勢が伝わりませんね。自分の立場、相手の立場を考えてものを伝えることができるのが、「社会人」なのです。
- ・とにかく「?」が多い文章(男性/総務・人事・事務/35歳)
- ・やたら疑問符で締め括られていて、結局何が言いたいのか解らないケースがあった(男性/その他/36歳)
- ・ハテナマークの使用多用(女性/総務・人事・事務/34歳)
「…」「汗」「音符」
その他悪印象例としてみられたのは、「~で良いでしょうか…」「よろしくお願いいたします…」など、「…」を使ったメール。「一見しおらしく見えますが、結局内容に変わりはありませんよね。感情を表そうとしているのでしょうが、基本的にビジネス メールには不要。鬱陶しいだけです」とのこと。
- ・「…」(女性/その他/36歳)
- ・(^_^;) という顔文字があった(女性/その他/41歳)
- ・音符(男性/営業・販売/37歳)
「私ゎ」
“わざと”「私は」を「私わ」と書くのはもちろん、小さい「ゎ」を使うのも、採用担当者にとっては無意味そのもの。「『私ゎ』などの書き方をしている学生は、その時点で常識を持っていない頭の悪い人間だと判断する」として、一発却下だそうです。
- ・履歴書も企業に提出する公的な書類であり、顔文字やぁぃぅぇぉゎなどの小文字を使うのは非常識だと思うから(男性/コンピュータ関連以外の技術職/40歳)
- ・「は」を「わ」と書いている方(男性/総務・人事・事務/43歳)
表現方法も大事ですが、相手がどのデバイスでメールを見ているのかを想定して内容を書くことも大事です。PCであればそのまま読むので多少一文が長くなってしまっても問題ないとは思いますが、もしスマホで確認していることが多いのであれば、外出先で見ている可能性もあります。
業界や職種によって変わるかと思いますので、OB・OG訪問や合同説明会の時期になれば、外出先で見ていることを想定しても良いかと思います。
私、○○大学の○○○○と申します。大学のキャリアセンター名簿で ○○様のことを知り、ご連絡させていただきました。 現在広告業界に魅力を感じており、多くの実績を持つ貴社に非常に興味を持ちました。 その貴社にて活躍されているOB(OG)の○○様にお話を伺いたく、本日ご連絡をさせていただいた次第です。 こちらの都合で大変恐縮ではございますが、下記日程で ご都合よろしい日時はございますでしょうか。
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私、○○大学の○○○○と申します。 大学のキャリアセンター名簿で○○様のことを知り、 ご連絡させていただきました。 現在広告業界に魅力を感じており、 多くの実績を持つ貴社に非常に興味を持ちました。
その貴社にて活躍されているOB(OG)の○○様にお話を伺いたく、 本日ご連絡をさせていただいた次第です。 こちらの都合で大変恐縮ではございますが、 下記日程でご都合よろしい日時はございますでしょうか。
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文章が長くて読みにくい
間違いということではありませんが、メールの文章の長さにはセンスが問われます。あなたも、LINEやFacebookでちょっとしたことをものすごい長文で送られてくるとゲンナリしませんか? 長いのに読みにくいともう最悪です。メールは受け取る側の読みやすさに配慮して、送信前に「一文」「一行」「1段落」の量を確認してください。
メールの末尾にはあなたの署名を載せるようにしましょう。名前、所属先(大学)、メールアドレス、電話番号、住所を書きます。定型をつくっておくと、メールのたびに添付して名刺のように使用することができますね。
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