「体力だけは自信があります!」→えっ、それだけ!?
「コミュニケーションには自信があります!」→学生時代と、社会人になってからの人間関係って全然別物だと思うけど……。
など、採用担当者が心の中でツッコミたくなる学生の“信用できない自己アピール”。せっかく自己アピールしているのに、マイナスイメージを与えてしまっては元も子もありません。
JOBRASS編集部が、採用担当者115名に対して「信用できない自己アピール」を調査したところ、いくつかのお決まり“信用できない自己アピールフレーズ”が浮かび上がってきました。就活生が避けたい自己アピールフレーズと、その理由を徹底解説!
もっとも多かったのが「がんばります」「なんでもやります」といった“根性”アピール。
意欲や熱意をあらわそうとして、「どんな状況でもがんばります」「協調性があるので、どんな場にも馴染めますし、仕事も臨機応変になんでもやります」といった表現を使うと、採用担当者は一気に鼻白む様子。“どんな状況でも”“なんでも”といった言葉は受け身であり、“働く現場を知らないのに……”とウソ臭く受け取られてしまうようです。
・「なんでもやります」と言うのはあり得ない。人の指示で動くだけで、自分で考えて動けない(男性/コンピュータ関連技術職/43歳)
・いつでもどんなことでも頑張れるということを必要以上にPRする。そのような人は現実的にいない(男性/営業・販売/44歳)
・最後までやります(女性/その他/35歳)
・一生懸命がんばります!言わなくてもそうしてほしいから(男性/その他/44歳)
・がんばれます→具体性・根拠もない言葉(男性/その他/40歳)
「『責任感がある』というのは、他人が判断すること。自分からアピールするのはおかしい」(男性/営業・販売/45歳)。また、学生時代の“責任感”が、社会人として通用するかどうかはまた別問題という意見もありました。リーダーシップも同様です。
・具体的な活動実績がないか、せいぜいアルバイトやサークル内でリーダーをやった程度のことで「責任感がある、協調性がある」とアピールする学生は信用しない(女性/営業・販売/44歳)
・根拠のないリーダーシップのアピールや、いろいろ交流していました系のアピール(女性/その他/35歳)
「〇〇だけは自信があります」というお決まりフレーズも、あるあるです。その〇〇が「社会に出たら通用するか」はわかりませんよね。
・「〇〇に自信あります」などと聞いた場合、その本人の協調性が疑わしい(女性/営業・販売/41歳)
・やりとげる自信(女性/その他/48歳)
・体力に自信あり(男性/コンピュータ関連以外の技術職/43歳)
例えば「人が嫌がることもできます」などというアピール。過去はそうだったかもしれませんが、これからのことはわかりません。不確かなことについては、「絶対」「できる」などと言い切らないほうが無難なようです。
・人の嫌がる事を進んでします(女性/その他/31歳)
・「みんなから信頼されています」は、どこの誰からの信頼を得ているのか? その人のただの思い込みもあるので、信用性がありません(女性/その他/30歳)
・「完璧です」「100%大丈夫です」など、信用できないあり得ないことを言わない(男性/その他/45歳)
明るくて前向き、根性がある……。どれも持っていれば長所であることに違いありませんが、「他に言うことはないのかな?」と思ってしまう担当者も。
・「何事も前向き」とアピールするのはありきたり(男性/その他/49歳)
・「明るい性格です」というアピール。思いつかないときにいうことだと思うから(女性/その他/43歳)
・それほどでもない事柄を根拠に「根性があります」。逆にそれ以上の経験がないと思ってしまう(男性/その他/42歳)
「協調性」を訴えるとき、具体的な例や経験などがない学生は案外多いもよう。単に「コミュニケーション能力があります!」と主張するばかりでは、担当者は「だからといって、何ができるの?」と思ってしまうかも。
・「コミュニケーションが得意」とか「責任感は人一倍ある」とか言わない方が良い。言わなくても「こういう体験からこんな事を学んだ」という感じにして話をするのが良さそうです。そこから読み取れると思うから(男性/営業・販売/41歳)
・「協調性があります」と言いながらも、実際の経験や体験を何も話さない人(男性/その他/46歳)
・「責任感があります」「協調性があります」も何故そう思うのか、自分の経験と自分の考えがあれば良いと思います。結果よりも、その結論に至った経緯をきちんと説明できれば良い(男性/営業・販売/49歳)
就活マニュアル本あるあるに、「下手に出るのではなく、採用したいと思わせるプレゼンテーションが大事」というポイントがあります。これを直球の表現にしてしまった学生たちも少なくないようで……。
・「自分には〇〇の資格があるので入社したらすぐに〇〇できますよ」と自慢話ばかりする学生(女性/その他/45歳)
・自身が入社したら一気に会社の業績が上がると言うなど、先人の努力を一切無視した言動(女性/その他/49歳)
「自分はスゴイ、こんなに優れている人物です」という“アピール”。謙虚さがなく、人の話を聞かないタイプと捉えられかねません。
・自分がナンバー1だと思っている自意識過剰タイプ。自分はこんなことができるといったアピール(男性/コンピュータ関連以外の技術職/40歳)
・自分を実際以上に大きく見せようとすること。面接は夢を語る場ではなく自己アピールの場です(男性/研究・開発/42歳)
・自称優秀発言をする人間は、人間関係を破たんさせる可能性が高いため、何らかの能力が高くても絶対に採用しない(女性/その他/42歳)
・自分が行ってきたことを大げさに言い、長々とその説明に終始する人(女性/その他/33歳)
これは論外ですね。他人に影響を受けたという話のつなげ方ならいざ知らず、ただ他人の手柄を自分のことのように話すのはNGです。
・家族、先祖も含め、自分以外の人間の功績や実績の話は絶対NG(男性/その他/43歳)
・自分の経験外の事柄をさもできるように語る自己アピールは、逆効果に感じます(男性/その他/44歳)
ウソがNGなのは当然ですが、採用担当者が信用しないのは大げさな自慢話のほか、「抽象的」で「客観性のない」話とまとめることができそう。自己アピールを考えたら、自分が採用担当者になったつもりで読み返したり、だれかに聞いてもらったりするなど、第三者視点で見直すことも忘れずに。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年12月9日~2016年12月19日
対象:企業の採用担当者 計115名