誰もが第一志望の企業にスンナリ入れるわけではない就活。できれば効率的にやりたいですよね。でも、就活生には、何がムダで何をしたほうがいいのかわからないのも事実。そこで今回JOBRASS編集部では、社会人130人に、就活において、今から考えると“やってムダだったこと”を、その理由とともに教えてもらいました。
前編は実際に足を動かすまで、ESや履歴書といった準備の“ムダ”。後編では、「説明会」「OB・OG訪問」など、足を動かすようになってからの“ムダ”をお届けします。
もっとも多かったのが、「マニュアル本」でした。実践では本の通りにいくことは少なく、なかには「マニュアル本の購入ですね。 面接の受け答えなどか、定型文化して、マニュアル通りですね。と言われたことが有ります」(男性/コンピュータ関連以外の技術職/33歳)という声も。
・マニュアル本の購入はあくまでマニュアルであり、実践では全く使えなかった(男性/その他/23歳)
・面接時のマニュアル回答を暗記したけど全く関係ないことしか面接官に話をされなかった(女性/その他/27歳)
ほとんど就活でしか使わないとはいえ、安っぽいのもナンだし、人と同じじゃイヤだからストライプにしてみようかな……なんてこだわっても、結局就活用は就活用。「ほかにもっとすべきことがあった」という声が寄せられました。
・スーツ。仕事でスーツを使用しないので高いのは買わない方が良かった(男性/その他/26歳)
・スーツがちょっとうっすらとストライプがはいっていて、そぐわないと思った(女性/その他/20歳)
・スーツや靴の色や色を気にしすぎて、いくつも店を回って買いに行ったりしたこと。そこまで気にする必要はないし、そのほかにやるべきことがもっとある(女性/その他/23歳)
“履歴書は手書きで!”というのも今は昔。特に指定がない場合、必ずしもパソコンだから評価が下がる、手書きだから評価があがるというわけでもないようです。
・履歴書の書き方が載っている本の購入は無駄でした。履歴書の用紙は色々あるから(女性/その他/25歳)
・履歴書を実筆で書いたこと。字に自信がなかったのでパソコンで書けば良かったと思う。書き間違いで何度も時間と紙を無駄にした(女性/総務・人事・事務/28歳)
・履歴書を手書きで作成したこと。時間がかかるだけでプラス評価になるわけではないから(女性/総務・人事・事務/24歳)
最近では、SPIをおこなう企業は減っているようです。「どんなものか知っておいて損はありませんが、一生懸命に勉強するほどでもないかも?」(男性/その他/27歳)とのこと。
・SPI試験の勉強。解き方にこつがあって、理解するのではなく暗記する必要があり、短期間で覚えるのは難しかった。実際の試験は時間も短く、SPI試験をおこなう会社も多くなかったので、対策してもしなくても結果は変わらなかったと思う(女性/コンピュータ関連技術職/27歳)
・SPI試験対策の本。SPI試験を受ける企業が少なく、試験対策する時間もあまりなかったので、本を買ったがほとんど使わなかった(女性/営業・販売/27歳)
これも、「わざわざ本を買う必要はない」との声多し。
・一般常識やSPIの本をたくさん買ったが、それよりも面接の方が大事だとおもったので、そっちにお金をかければよかった(女性/公務員/34歳)
・一般常識を勉強するため、関連書籍を購入したが、いざ試験を受けてみると一般常識テストがなかった(男性/その他/24歳)
・試験勉強をおこなったが、全然違う問題が出てきたので、筆記試験の勉強は常識レベルで良いと思った(男性/コンサルタント/24歳)
悩みすぎて、結局つまらないものになってしまったという声が散見されました。“自分らしさ”が大切です。
・エントリーシートの内容に悩みすぎること。企業に合わせてあれこれ考えて書いてもダメなときはダメだし、時間がなくてサッと出して見たものが次に進めたりもする。通った後の面接がダメだと結局ダメなので、面接の対策をするべきだった(女性/総務・人事・事務/26歳)
・ESの書き方はある程度マニュアル通りに書くのは大事ですが、あまりにも硬い内容だと不自然な感じがし、ある程度自分の個性が表れる内容のほうが良いのではと思いました(女性/その他/24歳)
“就職に役立つ資格”という謳い文句でなんらかの資格を取得しても、実際に働く会社で使えなかったら、何の意味もありません。
・パソコンの資格。全然パソコンを使わない職業だったし、就職に有利にもならなかった(女性/その他/30歳)
・資格を取ると就職に有利だと言われて頑張って取得したが全然仕事では使わなくてムダだった(男性/その他/24歳)
・就職する際に有利だと思って勉強していた資格。かなり頑張って資格を取ったが、就職した会社では特に優遇されなかった(男性/その他/25歳)
志望する企業について調べるのは当たり前。でも、その企業の業績や理念を「暗記」することが「企業研究」ではありません。
・上っ面の企業分析をしても意味がなかったと思う。企業は入ってみないとわからない(女性/金融関係/26歳)
・四季報を読むこと。自分に合った会社を見つけることの方が大切だった(女性/コンピュータ関連技術職/23歳)
・自分が受ける会社の企業理念や経営方針を覚えること。面接で聞かれたことが一度もなかったため(男性/その他/29歳)
ルックスが“いい”に越したことはないでしょう。でも、ある程度の清潔感がクリアできていれば、結局は「中身」重視。気にしすぎた時間を、他のことに使えたのではと思う人もいるようです。
・かっこいい写真を撮ったこと。結局、面接での印象が一番だったから(女性/総務・人事・事務/25歳)
・メイクの方法講座……時間を費やして学んでも当日その通りにできないから(女性/その他/29歳)
・顔の脱毛をして、見栄えを良くしていたことは無駄だったと思います(男性/総務・人事・事務/24歳)
先輩たちの「ムダだった」という体験談に共通しているのは、“表面上のことをしても意味がなかった”ということ。決して企業分析、OB・OG訪問そのものが「ムダ」というわけではなく、「ムダなことは一つもない。すべてが勉強になった」「落ちた企業もたくさんあったけど、話を聞くことができたのはいい経験になった」など、就活全体を通して“いい経験になった”という声のほうが多かったことは、補足しておきます。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年11月11日~2016年11月21日
対象:社会人1~2年目の男女 計名130名