履歴書やエントリーシートに書くネタを作ろうとして、ボランティア体験をするために被災地へ向かったり、あまり人が行かないようなところに旅行に行ってみたり、はたまた「とりあえず」資格を取得するする学生が、最近増えているのだそうです。でも、採用担当者からは、案外評判が良くないという話も聞こえてきます。
そうはいっても、では何を書いたら“逆効果”なのか、また資格欄に書いても意味がないのは何なのか、悩みますよね。JOBRASS編集部では、採用担当者160名に、「エントリーシートには書かないほうが良いと思うもの」を直撃! また、そう考える理由を聞いてみました。
【エントリーシートには書かないほうが良いと思うものはありますか?】
・ある 36.9%
・ない 63.1%
「ある」と答えた採用担当者は36.9%。「ない」と答えた採用担当者は63.1%で、「書いていけないということはない」というスタンスですが、よくよく聞いてみると、このなかにも「書くのは自由だけど、別に評価はしない……」という人が多いことも判明。いずれにせよ、「書いても無意味か、逆効果」という内容は存在するようです。
では、エントリーシートに「書かないほうが良い」と思う内容と、またそう考える理由は? まとめてみると、それらの内容は、いくつかに分類されることがわかりました。会社が違えど、採用担当者にネガティブに捉えられかねない内容とは!?
まず、期間が短い活動。サークルでもアルバイトでも、採用担当者の目からみると、「会社もすぐに辞めてしまいそうだな」と映ってしまいます。
・運動部の所属期間が短かったもの。長続きしない性格と思ってしまう(男性/その他/43歳)
・期間の短いアルバイト歴は、堪え性がなく見える(男性/総務・人事・事務/37歳)
学生は埋めることばかりを考えがちですが、エントリーシートに書いた内容は、面接で「突っ込んでください」と言っているようなもの、と考えましょう。突っ込まれたときに、自分の言葉で語れないとなると、それはむしろ逆効果。「浅はかな考えで行動するタイプ」「人に良く思われようとしているだけのタイプ」などと思われます。
・体裁だけで中身のないことは書かない。深く質問されても答えられないと逆効果なので(女性/総務・人事・事務/48歳)
・その内容に対して、ふくらませて説明できないものは書かないほうがよい(男性/研究・開発/46歳)
・過剰な社会貢献アピール(男性/その他/41歳)
・中身のないサークル活動やボランティア。そこから、得るものがなかったのなら意味がないから(女性/その他/39歳)
・明確な目標がない課外活動。考え方が薄弱と思われるだけ(男性/会社経営・役員/33歳)
・嘘や作り話、英語が話せない人の留学経験は突っ込まれやすい(女性/総務・人事・事務/40歳)
実務を伴わず、就活のためにとったような資格は、採用担当者にはバレバレ。「自分に必要なことが見極められない」と思われます。また資格の羅列は、「気が散りやすく、何を目指しているのかわからない」タイプで、仕事を任せにくいと判断されてしまうかも。
そしてTOEICや英検も、ビジネスで通用するレベルなら書く意味はあるでしょうが、“平均値”くらいなら、微妙。「他に書くことがないのかな」と思われても仕方がありません。
・資格の羅列は無意味(男性/その他/41歳)
・採否に関連しない、意味のない資格や経験は書くだけ無駄(男性/その他/46歳)
・国家資格でない認定資格。何を目指しているのかわからない資格(男性/総務・人事・事務/34歳)
・世間で通用しない資格。必要な事を見極めることができず、無駄が多そう(男性/会社経営・役員/41歳)
・TOEIC500点。(男性/その他/36歳)
・3級以下の資格、合格率が40%以上あるような資格(特殊なものは除く)。そこまでアピールするものがないのかと逆に良くない印象を与えてしまう(男性/総務・人事・事務/42歳)
・奇をてらったことは書かない。会社や社会生活に関係ないことを書いても自己満足なだけ(男性/コンピュータ関連以外の技術職/45歳)
・奇抜で変人扱いされそうなエピソード。全然、無意味なことを書いて、忙しい担当者の時間をとるようなことは書かないほうがいい(男性/営業・販売/47歳)
・受けを狙ったような活動。あんまりちゃらんぽらんなイメージを、最初に持たせないこと(女性/会社経営・役員/46歳)
ある採用担当者(男性/39歳)は、
「採用者はあくまでも企業にとっての利点があるかどうかを見ています。珍エピソードは面接での話のネタにはなりますが、“だから何?”で終わってしまうことが多く、学生が“面接の話が盛り上がった”と感じても、結果的に落とされがちです。
ボランティアは、継続して活動しているなど、何らかの信念があればまだ良いのですが、浅い考えだとアピールのために“利用”したと思ってしまいます。もちろんボランティアをすること自体は決して悪いことではありません。ただ、エントリーシートは企業に自己アピールをするもの。その企業にとって、自分がやったボランティアがどういう意味をもつのか、それを説明できればいいでしょうね。
採用者の時間損失にもつながるので、あくまでも記入は必要かつ明確なものが望ましいです」
と話してくれました。独りよがりではなく、「自分のエピソードが、“その企業にとって”どういう意味をもたせられるのか」を考えることで、採用担当者にとって魅力的なエントリーシートの作成ができることでしょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年8月17日~2016年8月22日
対象:企業の採用担当者 計160名