学生にとって、案外悩ましいのが面接のときの質問タイム。何を聞いたらわからないけれど、何も聞かないとアピールにならないし、聞いたほうが良いって耳にするし……。事前に準備していっても、誰かにその質問をされてしまったら撃沈。というわけで、“珍質問”を繰り出す学生もいるのだとか。
JOBRASS編集部では、採用担当者160名に、学生からされた印象的な質問があったかどうか、あったという人にはその内容を聞いてみました。
【会社説明会や面接で、学生からされて印象的だったユニークな質問はありますか?】
・ある 15.6%
・ない 84.4%
調査の結果、「ある」と答えた人は約16%。多くはありませんが、6人に1人と考えると、ものすごく少ないというわけでもありません。では、印象的だった質問は?
評価が高かったのは、会社や面接官に将来性などを尋ね、それに沿って自分をアピールできた学生。「自分がどうしたいか」というアピールに繋げられれば、高評価ですが、同じような質問でも、「今後この会社の将来性は?」と漠然と聞き、それに何も返せないと逆効果。「さてどうなるか、君たち次第」(男性/コンピュータ関連技術職/41歳)という冷たい反応にもなってしまいます。
・会社の業績や将来性を聞いてくること。自分が学生時代に取り組んできたことが、会社にどう貢献していけるか表現できていた(男性/その他/46歳)
・会社や私自身の過程・状況・方向性を質問された。状況の判断や、前後左右を良く見ながら、考えていると思いました(男性/営業・販売/36歳)
・「面接官はどうして○○会社に入社したのですか?」と図々しく聞いてきた学生。採用しました。その社員は優秀です(男性/会社経営・役員/46歳)
お金にまつわる質問が多かったという声もよくみられました。もちろん給料やボーナスは、企業選びの際に大事な指標の一つですが、面接でそれを聞いてしまうと、聞き方によっては「お金のことばっかりで、仕事はしたくないのかな」と思われかねません。
・ボーナス額(男性/コンピュータ関連以外の技術職/42歳)
・30歳位になったら、給料はどの位になりそう?(男性/その他/43歳)
・御社では退職金がしっかりと出せるのか(男性/総務・人事・事務/39歳)
その他、質問をしたとしてもネガティブな印象になってしまうのは、
・「企画をやりたい」と言われて、どんな企画?と尋ね返したら「だから企画がしたいんです」と逆ギレされた。その就職生にとっては「企画」って言葉の中身が理解できていなかったようだ(男性/営業・販売/43歳)
・「社内旅行はありますか」これでは行きたいのか行きたくないのかわからないし、今時不人気な社内行事について、この類の質問をする人はいない(男性/総務・人事・事務/47歳)
・男子社員の真の退職理由は何が多いか(男性/研究・開発/50歳)
など、ただの「Q&A」に終わっているもの。大切なのは、「聞いて終わり」ではなく、さらに返す力です。その他「企業収益を社会にどのように分配するか」という質問をされた担当者からは、「未だに答えが見つかりません……」(男性/総務・人事・事務/46歳)という声も。「聞いてどうするのか」「どういう理由で、それを聞きたいのか」を明確にしてから、質問をするように心がけると良いでしょう。面接官を唸らせれば良いというものではありません!
そして編集部では、改めて採用担当者に「結果的にピント外れだったとしても、会社説明会や面接の場では質問をするべきだと思いますか?」と質問したところ、
・積極的に質問をするべきだと思う 41.9%
・黙っているよりは、するほうがマシだと思う 32.5%
・変な質問になってしまうならば、しないほうがマシだと思う 25.6%
という結果でした。「変な質問なら、しないほうがマシ」というのは約4分の1。4分の3の担当者が、「黙っているよりは質問をしたほうがいい」と考えていることがわかります。ただし、ここで注意しなくてはならないのは、「質問をした=高評価」とは限らないこと。学生が発言する質問内容から、その学生の能力や資質などを垣間見ることができるため、面接官たちは質問をしてほしいのです。質問タイムは、自己PRにもつながると考えて、効果的に使いましょう。
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年8月17日~2016年8月22日
対象:企業の採用担当者 計160名