採用担当者の声を集めてみると、夏を過ぎても内定をもらえない学生には、共通する傾向があることがわかりました。
JOBRASS編集部では、採用担当者160名に「就職活動でなかなか内定をもらえない学生」のタイプと、そう思う理由を聞いてみました。
ダントツ1位だったのが、このタイプ。何がしたいのかわからず、信念がないようにみえる人は、企業側としても何をさせたらいいのかわかりません。また例え採用してもすぐに辞めてしまいそうということに加え、仕事に対する積極性や職場の協調性、ストレス耐性にも不安があると判断されるようです。
そして、相手に考えを伝えられないということは、仕事上でもいろいろトラブルを引き起こす元になりかねません。面接官は、自己PRや志望理由の「内容」だけでなく、話し方(伝え方)もみているのです。
・志望動機が曖昧な人/すぐ辞めてしまうのでは?と思ってしまう(男性/総務・人事・事務/39歳)
・はっきりとした目標がないタイプ/このまま採用して大丈夫なのか不安にかられる(男性/コンピュータ関連技術職/48歳)
・自分がどのような仕事をやりたいかのポリシーがしっかりしていない人/信念のない人は、仕事に飽きっぽくて直ぐに辞めてしまう不安がある(男性/コンピュータ関連技術職/38歳)
・自分の考えを表現できない/戦力として疑問符(男性/その他/41歳)
・自分自身の意思がはっきりしていない/採用したら何ができるか判らない(男性/総務・人事・事務/42歳)
・自主性がない/ストレスに弱い(女性/総務・人事・事務/49歳)
就職活動で選り好みをし過ぎている人は、面接官からすると「実際にどこかで働いたこともないのに……」とあまりいい印象ではないことも。やりたいことの主張がハッキリしていれば別ですが、「アレはイヤだ、コレはイヤだ」という雰囲気が出ていると、「使いにくそうだな」と思われているかも。
・選りすぐりをしている/仕事を続けられるか不安(男性/営業・販売/38歳)
・地味な仕事ももちろんあるのに、目立つ仕事にしか目が行かず、仕事内容を知って自分には合わないと切り替えるタイプ/入社したとしても今後責任のある仕事を任せられるだろうか。すぐ辞めるのではないか(女性/コンピュータ関連技術職/31歳)
・仕事を選びすぎ/素直な人がいい(男性/総務・人事・事務/47歳)
自分が見えていない人は、信頼できないと思われてしまうほか、もしその自信が崩れたときにどうなるかわからないということで、企業側にとっては不安因子になる可能性が大! というわけで、採用を見送る場合があるのだとか。
・にわかに信じがたいエピソードや自己PR/信憑性に欠ける(男性/コンピュータ関連技術職/44歳)
・自分の能力把握ができていない/自我自賛するタイプは、一度つまずくと立ち直れないケースが多い為、採用を躊躇する場合がある(女性/総務・人事・事務/48歳)
理想が高い人は、「自分が見えていない」「わがまま」「思い込みが強く、柔軟性がない」タイプとみられます。いざ仕事を始めると、自分の想定外のこともしなくてはならないことがあるもの。そういうときに、上司からは「使いにくい」と思われるようです。「個人の能力より、雇用主にとって利点があるかどうかを考える」(男性/総務・人事・事務/59歳)というアドバイスも。
・理想が高すぎる、自分の実力の過信/現実が見えていない(男性/その他/45歳)
・志望が高い/思い込みが強い(男性/総務・人事・事務/47歳)
・希望が高い/柔軟性がない(男性/営業・販売/46歳)
・理想が高すぎる/使えない人材だと考える(女性/総務・人事・事務/40歳)
面接官は、これまでの学生生活や就職活動の話をするなかで、その学生に行動力があるかどうかがわかります。そして行動力がない人は、仕事上でも曖昧な受け答えをしたり、スピード感に欠けたりするかもという理由で、企業人としては好ましく受け止められないようです。
・出不精な学生とかではないでしょうか。もっと積極的であってほしいです/やはり、自分の意見がいえないのは、マイナスになります(男性/コンピュータ関連以外の技術職/37歳)
・実際のところは腰が重い為に、数を回れていないタイプ/仕事における最低限のスピード感が不足していそうで、不安を持つ(男性/その他/36歳)
優柔不断、決断力がないように見えるタイプは、その時点で「仕事を任せきれられない」と映ります。自分が採用側だったら、優柔不断な人に、仕事を任せられるでしょうか?
・優柔不断/任せられない(男性/その他/47歳)
・決断力がない/頼りない(男性/総務・人事・事務/44歳)
会社で働くということは、人と一緒に仕事をするということ。協調性がないタイプは、会社勤めには不向きという判断です。
・思いやりのない人/協調性がないのではと思う(男性/会社経営・役員/47歳)
暗い人は、コミュニケーションに不安があるとみられます。面接において、人に与える印象はとても大事な要素の一つです。
・暗い人/入社しても他人とうまくやって行けるかどうか(女性/その他/43歳)
・性格が暗い/扱いにくい(男性/総務・人事・事務/45歳)
その他、「落ち着きの無さ」「理屈っぽい」「質問の主旨とずれた回答」についても指摘がありました。いずれも、仕事上でそれをやられたらたまりません。相手の話を落ち着いて聞く姿勢、的確に返す能力を面接官がみるのは、実際の職場でのことを想像しているということを忘れずに!
・落ち着きのなさ/考え方が希薄(男性/総務・人事・事務/42歳)
・理屈っぽい学生/回答をするより先に理屈が出てしまう、相手の話を聞かない(男性/コンピュータ関連以外の技術職/50歳)
・こちらの質問の趣旨と明らかにずれた回答をする人/こういう人を採用したら、後々職場でもめるだろうと思う(女性/総務・人事・事務/49歳)
まとめると、「何をしたいのかわからず、暗く積極性や行動力に乏しい印象」や、「中身の無いプライドばかりで、理想が高い印象」の学生は、どこに行ってもなかなか内定までは漕ぎ着けられないということ。
なかなか決まらない人は、一度「自分が面接官にどう見えているか」「自分が採用側だったら、今の自分を採用したいと思うか」を見つめてみると、何かヒントがあるかも?
【調査概要】
方法:JOBRASS就活ニュース調べ(インターネット調査)
調査期間:2016年8月17日~2016年8月22日
対象:企業の採用担当者 計160名