就職活動と切っても切り離せない、必要不可欠なもののように言われている業界研究。本当にする意味があるのでしょうか?どんな効果があるのでしょうか。社会人から見て、どんな業界がおすすめなのかも探ってみます。
「就職活動を始めたら、世の中にはこれほどたくさんの業界があるのかと驚いた」というのは良く言われる話です。普段の生活では、エンドユーザーと関わってくる以外の業界はあまり見えてきません。存在すら知らなかった業界というのが多数存在するのはそのためです。知らない業界には就職を考えることもないかもしれません。もし業界研究をせず、色々な業界のことを調べないなら、自分に向いているおすすめの業界に就職するチャンスを逃してしまうのではないでしょうか。それは、とってももったいないことです。
とはいえ、自分の周りにある業界を挙げていっただけでも相当な数の業界が出てきます。名前を挙げることはできても、具体的にどういったことが含まれるのかはよくわからないという業界も多いのではないでしょうか。でも名前は知っていて、それなりのイメージはあるために、イメージ先行で、志望する、志望しないを決めてしまうかもしれません。そうすると、イメージと実態がかけ離れていた時に(往々にしてあることですが……)ミスマッチに悩むことになってしまいます。だからこそ、志望業界のことはよく調べなくてはなりません。業界のことがわかれば自分に向いているのかもわかり、志望業界を絞り込むこともできます。
業界研究の目的は、次の三つにまとめられます。
1.未知の業界を知ること
2.数多くの業界の中から自分が志望する業界を見つけること
3.ミスマッチを防ぐべく自分の志望する業界を深く知ること
業界研究をする際には、「この業界で働くとはどういうことだろうか」と考えましょう。その業界がどんな業界であるかを考えるとともに、自分をその業界においてみて、どういった職種でどのように働くだろうかと考えてみてください。次にその業界の企業がどういった企業で、自分がそこで働きたいかどうかを考えてみましょう。業界研究の軸は、自分です。「自分が働くとしたら?」を軸にしてください。ただし、注意点があります。
1.思い切り好奇心を広げて、まずは広く多くの業界を知ること。
2.興味のある業界が見つかったら深く調べること。
どのような業界なのか、どのような企業があるのか、業界の現状と今後の動向、将来性、自分がそこで活かせると思える長所やしてみたい仕事は何かといったことです。また、その業界だけでなく、関連業界について調べましょう。自分が本当に興味があるのは、関連業界の方かもしれません。
数多くの業界がある中で、どこが良いのか? おすすめの業界はどこか? それは、もちろん人によって違うのですが、社会人として20年近く働いてきた今、自分が就活生だったら志望したいと思う業界を考えてみました。
・総合商社
総合商社は、世界中にフィールドが広がり、扱う品目も多岐に渡っています。こちらがだめならあちらに、と逃げ道もたくさんあります。景気の変動というのはどんな業界にも訪れますが、手広く扱いがあるだけに、外的要因の影響を最小限に抑えることができます。
また、世界中で働くチャンスがあります。どんな国にも面白い部分があると思っているので、その面白さを味わえるのはいいなあと思います。また、商社の扱い品目は多いですが、基本的にはモノを扱っています。未知のモノを見つけて日本に紹介する、又は日本の良いものを世界に売り込む、方向はどちらを向いていても、具体的なモノを挟んで展開する仕事は、創造力や企画力を働かせやすいと思います。
さらに、福利厚生がしっかりしていて、会社のバックアップ体制も整っているので、海外で働くとしても日本で働くとしても安心して働けるのも魅力です。
・メーカー
メーカーというと、漠然とし過ぎているかもしれません。日本を代表する自動車メーカー、関連の部品メーカー、電気機器メーカー、精密機械メーカー、プラントなどの重電メーカー、身近な食品メーカー、製薬メーカー……。どのメーカーも商品企画、技術革新を繰り返すことによって発展しています。どの分野という根っこがあり、その分野に根差しつつ、イノベーションによって成長していく、確かな技術があれば世界中を市場として伸びることができる、というのがメーカーの魅力です。
メーカーでは、新商品の企画の仕事は非常に興味深い仕事だと思います。自社の商品を日本中、世界中に売り込む営業も、誇れる技術がある日本のメーカーの商品であれば、やりがいのある仕事でしょう。その商品を喜んでくれる人が世界中にいる! 夢が広がります。また、そういった考えの人が多いからか、メーカーで働いている方は、実直でモノ作りが好きな方が多いように思います。一緒に働くうえでも働きやすいと感じます。
また、工場というのはとても面白いところです。モノが作られる過程は、すべての工程がきちんと考えられていて、ラインにあるすべてのモノが意味を持っています。工場の入り口に入ってきた原材料が、出口では全く違うものに姿を変える風景をイメージすると、わくわくするという人も多いのではないでしょうか。メーカーは大なり小なり、工場を持っているというのも私にとっては、魅力の一つです。もし、メーカーを志望されるなら、是非機会をとらえて工場見学に行ってみてください。その業界の違う面や新たな面を発見できると思います。
・マーケティングリサーチ・コンサルタント業界
マーケティングリサーチは、すべての企業活動の根幹にあるものです。エンドユーザーと生産者、消費者と売り手の間のミスマッチを防ぐことが経済活動を円滑に進め、企業の成功のための鍵となります。マーケティングリサーチは、リサーチのみでとどまらず、情報を分析し、課題解決のための活動も行います。経済活動が行われている限り、マーケティングリサーチはなくならない業界だと思います。オンラインなどの新たな方法も生まれるでしょうし、業態は変わるかもしれませんが、将来性はあると思います。
マーケティングリサーチの魅力は、未知の分野をリサーチできること。リサーチ設計がきちんとできれば、結果につなげられること。自分の好奇心を満たしつつ、顧客の役にも立てるやりがいのある業界です。
・IT業界
GoogleやFacebook、最近だとPokemonGoの開発の話を読むとわくわくします。IT業界は、想像したものを創造できる、夢のようなことが実現できる、という点に素直に魅力を感じます。IT業界は、大きく4つに分けられますが、特にインターネット業界やソフトウェア業界は、将来性が高いと思います。急激に普及する中、関連分野も含めて業界の中でもまだまだ発展する可能性が高いこと、第三世界を含めて世界中でも急激に普及していることを思うと、今後の展開が面白い業界です。
働き方で考えた時にも、技術を身に着けることで、将来的に会社にとらわれずどこででも働けるようになる可能性が高いのも魅力です。人生設計は持っていても、変わることがままありますから、フレキシブルに働き方を変えていける業界は、長く働くことのできる業界だと思います。
いかがでしたか。これは、あくまでも私の視点から見たおすすめ業界です。もちろん他にも魅力的な業界はたくさんあります。自分に向いている業界を見つけられるのは、自分だけ! あなたにとって一番良い業界を見つけてください。
業界が異なれば見るべきポイントや特性は異なります。以下に業界別にどのような傾向があるのかをまとめましたので、気になっている業界の記事を参考にしてください。
・IT「【就活生必見】これだけは知っておきたいIT業界4つの仕組み」
・自動車業界「自動車業界の動向を分析。自動車業界の業界研究」
・食品業界「入社前のミスマッチを無くすために! 食品業界の業界研究」
・ハウスメーカー「ハウスメーカーの業界研究。どんな会社と仕事してるか知ってる?」
・紙、パルプメーカー「紙・パルプメーカーの業界研究!リーディングカンパニーを徹底比較」
・損害保険「安心した暮らしを作る一大産業!損害保険業界研究」
・リース「リース業界の志望動機を徹底解説」
・不動産「人気の不動産業界でランキング! 売上TOP5の違いを分析」
・カメラメーカー「元は軍事目的? カメラ女子も気になるデジカメ業界の勢力図」
・ブライダル「ブライダル業界志望の就活生が知っておくべきポイント」
・テレビ「テレビ業界志望者必見!テレビ局徹底比較!」
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・スポーツ「【ユニフォームを着るだけじゃない!】将来スポーツに関わる仕事がしたいみなさんへ」
・海運「貿易の99%以上を支える!海運業界の研究」
・電機メーカー「日本のものづくりの代表!総合電機メーカーについて研究しよう」
・ガス「多くの人の役に立てる! 暮らしを支えるガス業界の研究」
・サッカー「意外と知らないサッカー業界。クラブチームとスポンサーの関係って?」
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