立教大学法学部のH.K.さんは、自分にはどのような企業が合っているのか、じっくり時間をかけて探すタイプ。さまざまな業界を調べたうえで絞り込み、企業研究も丹念におこなった結果、システム開発を手掛けるジェーエムエーシステムズ(JMAS)のエンジニア職に内定しました。Hさんは今、就職活動を振り返って「やり切った」ときっぱり。“ミスマッチング”がない就職活動をおこなうには……?
学部 : 法学部
志望業界 : IT関連
説明会参加:約20社
先輩訪問 :3人
エントリーシート提出:2社
面接 :11社
内定 :1社 (IT-システム開発)
活動費用 :約50000円(交通費20000円、外食費20000円、クリーニング代3000円、証明写真代5000円など)
●Hさんの就活は大体こんな感じ!
【大学3年生7月】夏季インターンシップの面接、大学の就活対策セミナーへの参加。
↓
【大学3年生8月】夏季インターンシップへの参加(アイデム、5日間)。
↓
【大学3年生9月~12月】様々な企業の1DAYインターシップや、小規模の合同説明会への参加により企業理解を深める。
↓
【大学3年生1月~2月】エージェントの紹介で、ベンチャー企業を中心に数社の選考を受ける。
↓
【大学3年生3月~4年生4月】JMASに絞り、説明会や選考に積極的に参加。
↓
【大学4年生4月】第一志望のJMASから内定。
Hさんは、エージェントを頻繁に利用して就職活動をおこないました。エージェントを知ったきっかけは、アイデムのインターンシップに参加したことから。ここでは、そんな就職活動を、時系列に基づいて詳しく追ってみました。
【大学3年生9月~12月】:企業理解
様々な企業のDAYインターシップや、小規模の合同説明会に参加。
業界研究の本などを読んでいたんですけど、本だけを読んでいてもピンとこなくて、いろいろな説明会に参加してみました。業界を絞ったのは、3年生の年末くらいです。
システム開発に決めた理由は、製造業は自分として需要がみえなかったのと、商社は働くイメージがつかずに保留。ITは今後需要がありそうという印象が強くて、仕事内容という面でエンジニアに絞ったのは、システム開発だと自分の作ったものが形になるというのが面白そうだなと。ITでも営業がメインの会社もあって、人がつくったものを利用して何かするというよりは、自分で作るものを手がけたいという思いがあったんです。インターンシップに参加したときに、プログラミング体験があって、面白そうだなと思ったということもありました。
【大学3年生1月~2月】:面接開始
ベンチャー企業を中心に数社の選考を受ける。
―企業規模についての考え方は?
いろいろみていくなかで、働き方という面で社員が何千人というよりもどちらかというと小さいほうが上の人との距離が小さかったり、自分の意見が通りやすそうな中小企業が合っているなと感じました。
ただ、学校の授業で倒産法っていう授業があって、数ある会社の中で10年以上存続するのは数%しかないっていうのを知ってからは、歴史がある会社のほうがいいのかなと。
―面接にあたっての練習はしましたか?
エージェントの担当の方には、親身に話をきいてもらえました。自分が気づかないところにアドバイスをくれたり。
本番の面接の前に、2回エージェントで模擬面接をやっていただいたので、それで落ち着いて本番に臨めました。午後が本番という日の午前に模擬面接をやってもらったり……。面談は(結果的に)10回以上お願いしました。担当の方に「不安なのでみてください」って言える関係性を築けたのは大きかったです。
模擬面接は、大学のキャリアセンターでもやってもらえますが、そういうところは“通り一遍”。エージェントに相談したほうが、より具体的なアドバイスがもらえるかなっていう印象があります。企業を深く知っているからこその情報やアドバイスがもらえます。
―その他、エージェントを利用したメリットはありましたか?
選考のフィードバックがもらえたのがよかったですね。エージェントの方から、企業の人事の方の感想を教えてもらったり、選考のときに良かったことや気をつけたほうがいいこととかを教えてもらえたので、次につなげることができました。
【大学3年生3月~4年生4月】:第一志望に照準を合わせる
【大学4年生4月】:内定獲得
「やり切ったな」という実感はありました。実感というのは、面接のときに聞かれた質問にきちんと答えられたことと、企業研究で、自分がどういう仕事をしたいかというのを突き詰めたので、その会社のやっていることと自分のやりたいことがちゃんと合っていたのかなと。
―最終的にその会社に決めた理由を教えてください。
安定性、勤務地、福利厚生、雰囲気など総合的にみて。
説明会に行ったときに、人事の方がとても親切で。広報はどの会社も“感じ悪い人”はいないけど、面接って、会社によって雰囲気が違うなって思っていたなかで、いちばん親身に話を聞いてくれたんです。
本番二次面接の前に、一次面接のときの方が来て、「こういうところに気をつけたほうがいいよ」というアドバイスをくれたり。さらにそのあと、内定通知書を受け取りに行ったときに社内の見学をさせていただいたんですが、ちょうど今年新入社員の方がいらっしゃって、研修を受けている姿が楽しそうだなって。自分も働くイメージがつきました。
―これから就職活動をする学生にアドバイスをお願いします。
僕はエージェントの方と話すことで、自分が知らなかった会社さんもいろいろ紹介してもらえました。就活の仕方は人それぞれだと思いますが、“イメージと違ったな”ということがあるので、最初から絞らずいろいろみたほうがいいかなと思います。
Hさんへのインタビューで見えてきたポイントは「決めすぎなかった」ことと、「決めたらじっくり調べた」こと。自分と向き合い、徹底的に調べたことで、志望する業界、企業にそれぞれきちんと説明づけができています。業界の絞り方、大きすぎず小さすぎない規模がいいと思った根拠、自分がやりたいこと――すべてのステップで、丁寧に人を納得させるだけの理由がありますね。そして、本やネットで調べるだけでなく、プロに会ってアドバイスを求めたのも、スムーズな就活ができた理由の一つだといえそうです。